青田風ウスバキ揃い風のまま
青田波トンボしぶきとなりて飛ぶ
夏の露トンボは翅にトンボ玉
畦行けば未熟トンボの二段飛び
極楽は水面のとんぼボーと見る
青田風ウスバキ揃い風のまま
青田波トンボしぶきとなりて飛ぶ
夏の露トンボは翅にトンボ玉
畦行けば未熟トンボの二段飛び
極楽は水面のとんぼボーと見る
トンボ池と泥水池の泥浚いを実施した。真夏日が戻りすぐに衣服が汗びっしょりになる。
越流を起こされ池の破壊をもたらしたくないから分水させ流入制限をかけているが、それでも土砂は堆積する。この夏は漏水撲滅が効果を上げ、干上がる事態が起こらなかった。その分、堆積土の掘り出しが遅れたが冬をひかえて越冬用に深みを用意しておく必要がある。
今なら泥浚いで失われた生物量も冬までに回復出来る可能性もあるから涼しさを待っての作業は出来ない。掘り上げた泥は堤の成形に用いた。見回りで歩く部分を主に泥を置き通路幅を広げ、なおかつ堤の高さを上げる。
トンボ池も泥水池も長柄のジョレンで泥を掬い上げると数匹のドジョウも上がった。昨季にはなかった事態で、サイズもまちまちだから、いよいよ双方の池での繁殖が確実に思える。
松黑し梢に見ゆる排気塔クレーン動けば作業を知りぬ
作業員繭作りたるお蚕の群れにも見えし廃炉作業は
黙々と名前表示で作業する国は見ぬふりピンハネ労働
積算を抜かれて量る被ばく量抜かれ続ける賃金手当
用足してしばし眺めし夜半の月 用足してしばし眺めし軟な倅
網戸越し涼風落とし月はゆく 網戸越しかみなり落とし看守行く
賽の目に切られて網戸のお月様 賽の目 に切られて網目の外れ券
窓開けて寝れば冷気も腹の上 窓開けて寝ればシマカは腹の上
蚊で寝れぬ月の光は痒み止め 蚊で寝れぬ肌の光は痒み止め
むら雲も名月立てる脇の役 むら雲の名月隠す糞悋気
沈泥地の通常水位を決める定水位装置をを変更する。従来は円形の鉢の縁が水位線だったが排水管との高さを調整できない固定式で、土砂が堆積してしまうと浚渫によってしか湛水を確保できなかった。
そこで拡幅、掘り下げに合わせ厚板をL字形に打ち合わせた形態に変更したのだ。これだと土砂の堆積で湛水が出来なくなっても、この部分を引き出すだけで調整可能になる。
L型による排水管との高低差は5㎝で、従来の丸型より5㎝水位を低下させてある。掘り下げはスコップひと掘り分だったから5㎝の水面降下でも実際の水深は従来より深い。この取り換えに合わせオーバーフローの高さも下げた。定水位装置で排水が間に合わなくなり水位が5㎝上がるとオーバーフローが機能する。
直接、排水管に流入しない方式にするのは浮遊物を排水管口につまらせない濾し器の役割があっての事だ。この仕掛けは池の中に生息するヤゴ、オタマジャクシ、メダカなどが流出していくことも多少は防いでくれるはず。
沈泥地、堤の内側を削り取り拡幅が終了した。思えば暑い盛りの8月をほぼこれに費やしたようなものだった。
年明けではこの面積の?程度だった泥水地は拡幅に次ぐ拡幅で形を変え大きくなった。この拡幅は「沈泥機能」よりも「生物保全」に重きを置いたもので、絞り水ながら通年枯れる事が無い環境を生かした「生物リザーブタンクの拡大」とでも言えようか…。
トンボ池は泥水池からの分水が命綱、泥水池は隣の沢からの送水が命綱、いままで送水が滞った事は稀でなく、そのたび枯渇してきた。チョロ水とは言え周年流入する沈泥地は安心できる生物保険でもある。その保険額を高額にしたのが今回の拡幅だが、断じて「保険金詐欺」の為ではない。