澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

映画「台湾人生」を見に行く

2009年06月27日 16時08分33秒 | 台湾
今日から上映される映画「台湾人生」を見に行く。

  (上映直後の「ポレポレ東中野」)

台湾の日本語世代にインタビューしたこの映画は、酒井充子(あつこ)監督の初作品。当初、「逍遙日記」というタイトルで上映される予定だったが、「台湾人生」と変更されたようだ。



会場となった「ポレポレ東中野」は、150席くらいの小映画館。開演40分前に出かけたのだが、すでにかなりの人が並んでいた。結局、折り畳みイスの席に座ったが、後から来た人は「座布団席」か立ち見となったので、かなりの人数が集まったようだ。
初日の挨拶に立った酒井監督は、ネットの映像で見るよりも、ずっと穏やかで美人という印象。映画の取材を始めるまで「…台湾のことは、ほとんど何も知らなかった」と話されていた。「中国研究」では屈指の大学を卒業された酒井監督でさえそう言うのだから、われわれが無知なことも当然なのかも知れない…。

  (映画に登場する蕭錦文(しょう・きんぶん)氏)

映画は、次の五人に対するインタビューで構成されている。楊足妹(1928年生)、陳清香(1926年生)、塔立國普家儒漾(1928年生 ※2008年7月死去)、宋定國(1925年生)、蕭錦文(1926年生)。
今や80歳を超えた日本語世代の中のごく普通の人たちだ。
→ http://www.taiwan-jinsei.com/cast.html

蕭錦文(しょう・きんぶん)氏は、今なお「二二八記念館」でボランティア・ガイドを勤めている。私が「二二八記念館」を訪れた5月26日は、偶然にも蕭さんの勤務日に当たっていて、1時間半もの間説明をしていただいた。日本人に対する好意に溢れたお話に、私自身もますます台湾に対する親近感を深めた。
蕭錦文さんは、「二二八記念館」では話さなかったことをこの「台湾人生」の中では語っている。ひとつは自らも軍隊(帝国陸軍)に志願した体験から、日本政府は、日本兵として戦った台湾人に対し、「ご苦労様」と言うべきではないかということ。もうひとつは、自分は日本人として育ったので、いまでもその精神を引き継いでいるという述懐だ。

実は、「二二八記念館」で解説する前に、蕭さんは私に一枚の印刷物をくださった。それは、自費で5000枚印刷したという「教育勅語」だった。

7月4日、この映画の上映のために、蕭さんは東京にやってくる。酒井監督とのトークが楽しみだ。
NHK「アジアの”一等国”」のような歴史観がまかり通ろうとする昨今、この「台湾人生」がより多くの人に観られることを願った。映画館を見渡す限り、意外にも若い人が多く、まだまだ捨てたものではない…と思った。

   (映画「海角七号」)

NHK「アジアの”一等国”」が振りまいた”害毒”は、この「台湾人生」、そして台湾映画「海角七号」で十分”解毒”できるはずだ。