酒井充子監督のドキュメンタリー映画「台湾人生」が好評のため、東京での公開が拡大延長されることが決まった。朝1回の上映が、今日から午後2回の上映となる。
また、今日からは神奈川(横浜)でも公開される。このあと、全国で次のように公開されるようだ。
http://www.taiwan-jinsei.com/theater.html
「台湾人の悔しさと懐かしさと…本当に解けない数学なんです」と語られる日本統治時代の記憶。酒井監督は、 台湾の日本語世代を静かに優しく見つめる。
「(私の映画を)NHKの番組とは一緒にされたくない…」と酒井監督は語っている。確かに両者の違いは歴然だ。豊富な資金を使って、「未来を読み解く鍵は歴史の中にある」と大見得を切ったNHKだが、その結果はあまりにお粗末な「アジアの”一等国”」だった。日本語世代にインタビューしたものの、彼らの本意を伝えることはなく、むしろ歪曲して放送した。このため、各方面から批判を浴びると、NHKは「一部の右翼による批判」だとして火消しに躍起になっている。担当ディレクターである濱崎という男は、「学校で(自分の)子供がいじめられている」と台湾の関係者に”泣き”を入れたという。
これに対し、酒井監督は、勤めていた北海道新聞を退社して、背水の陣で「台湾人生」の制作に臨んだ。NHKとは比較にならない劣悪な条件の中で、個人レベルの取材を通して台湾の日本語世代との交流を深めた。そこには、もはや80歳代になった台湾の日本語世代を、いまこそ記録しておかなければならないという純粋な使命感だけがある。
私は、「台湾人生」の中にこそ、「未来を読み解く鍵」があると思っている。
ぜひ、多くの方々に見ていただきたい映画だ。全国各地をカバーして上映するのが無理ならば、DVDとしてリリースしてほしい。日本統治時代を語る貴重な歴史資料として…。
『台湾人生』予告編