澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

村木厚子氏(厚生労働省・元局長)の速やかな名誉回復を!

2010年05月26日 20時04分36秒 | 社会

  厚生労働省の村木厚子・元局長が逮捕された事件について、私はこのブログで次のように書いたことがある。

「障害者団体が郵便料金の特別割引を受けていることに目を付けて、厚生労働省の公文書を偽造し、割引制度を悪用したという事件で、先に逮捕された村木厚子・元局長の公判が始まった。
この事件では、村木・元局長は公文書偽造への関与を一貫して否定しているが、事件発覚時に部下であった上村勉・元係長が「村木課長(元)の指示だった」と証言したため、逮捕・起訴されたのだった。ところが、公判開始に当たって上村被告(元・係長)は、当初の供述を翻し、上司である村木被告の関与を否定するという。

村木厚子被告は、この事件への関与を一貫して否定してきたが、公判開始に当たって、部下であり文書管理の実務担当者だった上村被告が村木被告の関与を否定した意義は極めて大きい。上村被告については、事件当初「私はノンキャリアだから、人身御供にされる」とマスコミに語ったとされるが、キャリアである上司の村木・元局長を巻き込むことにより、事件の中心人物が誰であるかを巧みに逸らせてきた。
その後、別々の取り調べて、村木・元局長は一貫して否認、上村・元係長は供述を翻したことから見ると、村木・元局長がこの事件に関与していなかったとされる可能性が高まった。

多忙を極める厚生労働省の本庁課長が、所管事務のすべてを掌握できるはずはない。公印が無断で使用され、公文書偽造が行われたとしても、それにいちいち目を光らせているのは不可能だ。とりわけ政治家の紹介があって、前例踏襲で処理されてきた今回のような案件では、係長クラスが実務的に処理するというのが通例ではなかったか。

村木・元局長については、女性キャリアの期待の星だったようだ。高知大学卒というハンディを背負いながら、局長まで登り詰めたのは、本人の能力、努力によるものだったのだろう。たまたま”事件”が起きた所管課の課長になってしまった…本人としては、管理責任は負わなければならないとしても、率直なところ運が悪かったという気持ちだろう。

考えてみれば、こんなことは身近にいくらでもある。問題職員が起こした不祥事でも、マスコミ沙汰になれば、管理監督者は、本来の責任以上の”罪科”を負わされる。さんざんマスコミに叩かれた村木・元局長が、もし無罪となったなら、マスコミは彼女の名誉回復をしなければならないのだが、今の腐りきったマスメディアにはそんな気はさらさらないだろう。村木さんは運が悪かったのだ……。」

 今日(5月26日)の新聞報道(下記参照)によれば、私の推測どおり、村木厚子氏の容疑は晴れたようだ。素人の私でさえ予想できたこの結末をどう検察は説明するのだろうか。
 村木さんは運が悪かっただけなのだから、厚生労働省は速やかに彼女の名誉回復を図るべきだろう。無実の同僚を救えないのなら、公務員社会もまた無情なものだと言わねばならない。マスメディアの責任も重大だ。公務員攻撃を続けるマスメディアは、この事件を格好のネタと位置づけ、たいした取材もしないまま、村木厚子をを血祭りに上げたのだ。卑劣なマスメディアの報道姿勢もまた同罪だ。



郵便不正:村木被告無罪の公算大 元部下の供述調書不採用

2010年5月26日 19時29分 更新:5月26日 19時33分

村木厚子被告=竹内紀臣撮影
村木厚子被告=竹内紀臣撮影

 障害者団体への郵便料金割引制度を悪用した郵便不正事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)の第20回公判が26日、大阪地裁であった。横田信之裁判長は、村木被告の事件への関与を述べた厚労省元係長、上村勉被告(40)の捜査段階の供述調書15通すべてを「(大阪地検特捜部の)取り調べに問題がある」として証拠採用せず、捜査を批判した。上村被告は公判では村木被告の関与を否定しており、捜査段階の供述調書は村木被告の有罪を立証する上で重要だった。証拠採用されず、村木被告は無罪判決を言い渡される公算が大きくなった。

 この事件では、実体のない障害者団体「凜(りん)の会」に郵便料金割引制度の適用を認める偽証明書を作成したとして、4人が起訴された。

 横田裁判長は「証明書の作成は自分1人でやったと伝えたのに、村木被告から指示された内容の調書を検事がでっち上げた」とする上村被告の公判証言について、「(上村被告が拘置中に記載していた)被疑者ノートの内容は公判証言に合致する。検事は村木被告関与のストーリーをあらかじめ抱いていた」と指摘。さらに、上村被告が自身の犯行を認めている点にも触れ、「虚偽の公判証言をする理由が見当たらない」と公判証言が信用できると判断した。取り調べ段階の供述調書に特信性(高度な信用性)を認めず、証拠採用を却下した。

 また上村被告のほか、横田裁判長が先月、一部無罪の判決(検察側が控訴)を言い渡した「凜の会」代表、倉沢邦夫被告(74)ら2人の調書についても「検察官による誘導があった」などとして証拠採用を却下した。

 検察側は、上村被告や塩田幸雄・厚労省元部長(58)ら8証人の捜査段階の検察官調書計43通について、「公判証言と内容が食い違うが、調書に特信性がある」とし、証拠として採用するよう地裁に請求していた。横田裁判長は、塩田部長ら計5人の調書9通については「証拠能力までは否定できない」として証拠採用した。

 村木被告の公判は6月22日に検察側が論告求刑をし、同29日に弁護側が最終弁論をして結審する予定。判決は9月10日前後になる見通し。【日野行介】