澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「ジプシー音楽」のアルバム聴き比べ

2013年02月04日 13時53分13秒 | 音楽・映画
 先日、NHKーBSで「カールマーン・ガラ」というコンサート・ライブ映像が放送された。場所はドイツのドレスデン(?)かどこかで、喜歌劇(=オペレッタ)の作曲家であるカールマーンの作品を特集したコンサートだった。彼の有名な作品にはジプシーを扱ったものがあるが、「来たれジプシー」というメロディは、ポピュラー音楽でもいろいろな楽団が演奏しているほど有名。だが、NHKはその曲名を「ロマよ来たれ」と書き換えていたので、一気に興ざめした。欧州から遠く離れた東の果て、「日が昇る国」で何故そこまで「差別語」あるいは「言葉の言い換え」に敏感になるのか、噴飯モノのように思えてくる。

 以前、私が企画・編集に関わったCD集「華麗なるマントヴァーニの世界」※(ユーキャン発売 2009年)においても、マントヴァーニが演奏したアルバム「Gypsy Soul!」(1969年録音)から「チャールダシュ」と「ブダペストの心」をピックアップしたので、「ジプシー」という言葉を使っていいのかどうかが問題となった。そのとき、私は英国の専門家にメールで確認した結果、「歴史的呼称として使う分には支障ない」という返事を受け取った。つまり、「Gypsy Soul!」というアルバム(LP)は事実として存在するので、これを「ロマ・ソウル」(Roma Soul!」などと書き換える「配慮」はいささかも必要ないということだった。

※ http://www.u-canshop.jp/mantovani/

 というわけで、私は「ジプシー音楽」という言葉を使う次第だが、この「ジプシー音楽」を採り上げたアルバムには、数々の秀作が揃っている。

 まず、筆頭にあげられるのが、カーメン・ドラゴン指揮ハリウッド・ボウル交響楽団が演奏した「ジプシー!}(1956年録音)。



 このアルバムに入っている「チゴイネルワイゼン」(=ジプシーの歌)は、まるでソロ奏者が弾いているかのようなオケの一糸乱れぬアンサンブルに感嘆させられる。

 続くのは、マントヴァーニの「Gypsy Soul!」。

 これは、マントヴァーニ風のアレンジでありながら、ツィンバロムなどの民俗楽器を採り入れて、ジプシーの雰囲気を盛り上げる。

 マントヴァーニよりもシンフォニックで、ジプシー・ムードを盛り上げるのは、ユーゴ・ウィンターハルターの「Goes Gypsy!」というアルバム。


 演奏の質もアレンジもあまり感心しないが、フランク・チャックスフィールドも「My Gypsy Love」というアルバムを録音していた。


 私が最も気に入っているのは、ウェルナー・ミューラーの「Gypsy!」。

 アレンジ、演奏ともに申し分がない。

 これらの演奏は、映像として存在しないので、代わりにこの「チャルダーシュ」(モンティ作曲)を。このオケは、さすがに本場ブタペストの楽団らしく、ジプシー音楽の香りを漂わせている。