さきほど「中国共産党が国家主席人気撤廃を提案」というニュース(下記)が伝えられた。これによって、習近平の独裁が長期化され強化される見通しだ。
今朝たまたま、アマゾン・プライムの映像で「东方红」(東方紅 The east is red;下記に貼付)を見たばかりだったので、このニュースには驚いた。この映画は、独裁者・毛沢東を賛美する、究極のプロパガンダ映画。半世紀前の映画だが、現在の北朝鮮・金王朝賛歌は瓜二つではないか。
5年ほど前、東京外大の授業を聴講したとき、I教授(国際政治論、中国政治)が「中共政権は10年以内に崩壊(政権を下野する)する」と言っていたのを思い出した。遺憾ながら、その気配は全くなく、今や独裁政権が強化される方向に。
この映画は、情報伝達の主役が「壁新聞」だった当時、プロレタリア文化大革命を全国に伝播させるのに大きな役割を果たした。今見ると、「中華帝国」は相も変わらずと思い至る。
The East is Red 东方红 1965 Chinese 'song and dance epic' with English subtitles
中国共産党、国家主席任期撤廃を提案 習近平の独裁長期化へ
2月25日、中国国営の新華社通信によると、中国共産党は国家主席の任期を撤廃するため憲法の改正を提案した。写真は、習近平国家主席。北京で昨年10月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)
中国国営の新華社通信によると、中国共産党は25日、国家主席の任期を撤廃するため憲法の改正を提案した。実現すれば、習近平国家主席(64)は2023年以降も続投できることになる。
新華社は詳細について触れていない。提案は党中央委員会が行ったもので、任期撤廃の対象には副主席も含まれているという。
現行憲法では、習国家主席は2期(1期は5年)の任期終了後の退任が定められている。任期終了を控え、習国家主席は3月5日に開幕する1年に1度の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で正式に選出され、2期目に入る見通し。
中国共産党党首と人民解放軍の最高幹部としての任期に期限はないが、通常は10年が最長。習氏は2017年10月に中国共産党党首である総書記と、軍最高幹部としての2期目を開始している。
著名な歴史学者の章立凡氏は、今回の提案は予期できなかったことではなく、習氏が政権の座に何年座り続けられるかを予想するのは困難だと指摘。ジンバブエで1980年の独立以来、昨年11月まで37年間実権を握ったムガベ大統領に言及し「習氏は理論上、ムガベ氏より長く務められるが、現実的には何が起きるのか誰にも分からない」と述べた。
人民日報など中国共産党の主要機関紙は前向きな意見を掲載したものの、ツイッターに似たミニブログのウェイボー(微博)では歓迎する声ばかりではない。「2期が十分でないなら、3期に変更すれば良いだろう。だが、上限は必要だ。任期撤廃は良くない」との意見が見られた。
憲法改正には議会の承認が必要だが、議会は党への忠誠を誓って選出されたメンバーが多く、今回の改正が却下される可能性は低い。