桐朋学園オーケストラ定期演奏会に行く。「華麗なるロシアン・メロディー」がテーマで、次のようなプログラムだった。
チャイコフスキー「歌劇”エフゲイー・オネーギン”よりポロネーズ」
ラフマニノフ 「ピアノ協奏曲第二番」
チャイコフスキー 「交響曲第四番」
指揮;中田 延亮 演奏;桐朋学園オーケストラ
ピアノ;清水 和音
今日(1月18日)はみぞれ混じりのあいにくの天気。にもかかわらず、ホールは満席だった。わずか1500円で一流の演奏が聴けるのだから、年二度の演奏会を楽しみにしている人が大部分なのだろう。
チャイコフスキー「歌劇”エフゲニー・オネーギン”よりポロネーズ」は、ぎこちないというか、あまり楽しめない演奏だった。車でよくこの曲をかけるのだが、カーメン・ドラゴン&ハリウッド・ボウル響の演奏は、すこぶる爽快だ。比べてしまうのは、気の毒だとは思うけど。
ラフマニノフ 「ピアノ協奏曲第二番」は、清水和音のピアノ。その昔、「ラ・カンパネラ」というCDでデビューした清水は、今年還暦を迎える。彼の生演奏を聴くのは初めて。この名曲をどう弾きこなすのか興味深かった。清水は、ラフマニノフを得意としているのだろうか、エネルギッシュかつパワフルなタッチでこの難曲を弾き切った。中高年で満杯の会場からは、ひさびさに「ブラボー」の声が上がった。
チャイコフスキー「交響曲第四番」は、五番、六番(悲愴)と比べると、ややマイナーな曲。CDで何度か聴いて退屈した記憶がある。私として五番が最も気に入っている。桐朋学園オケの演奏は、特に金管、木管が頑張って、私の先入観を吹き飛ばしてくれた。学生オケの美点は、全力を尽くすこと。桐朋オケは、その上にプロ並みの実力があるのだから、申し分ない。
次回の定期演奏会は、五輪後の秋になるのだろうか。五輪狂騒曲にはウンザリの私だが、秋の演奏会は楽しみにしている。