澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

尖閣諸島問題は京大・井上清教授の本を読め!だって

2010年09月16日 07時19分46秒 | 政治

 TVで顔馴染みの中国政府・姜瑜報道官が、「尖閣諸島問題」について意外なことを言い出した。
 「日本と中国がともに領有権を主張する尖閣諸島問題に興味のある人は、京都大学の井上清教授が執筆した尖閣諸島にまつわる歴史と帰属問題に関する書籍に目を通すよう提案した」と言うのだ。今や忘れ去られた存在である井上清の著作を、あの一党独裁国家の報道官が、「課題図書」として「推薦」してくださったとは…。こういう高圧的な中国人の態度に対しては、日本人も少しは目覚めて、”激怒”する必要がありそうだ。

 その本とは、井上清著「”尖閣”列島―釣魚諸島の史的解明」(第三書館 1996年)を指す。姜瑜報道官は、今や絶版になった古本をamazonででも探して読めと言うのだろうか。 

 http://www.mahoroba.ne.jp/~tatsumi/dinoue0.html


 (中国政府・姜瑜報道官)

 1970年代、井上清・京都大学教授は、マルクス主義歴史学者(専攻は日本史)として有名だった。当時の文系学生であれば、彼の名前を知らなければ、恥ずかしいという雰囲気もあったくらいだ。井上は、京都大学教授という要職にありながら、一貫して体制批判を続け、「天皇の戦争責任」という本も著した。ウィキペディア(※)には次のように書かれている。

「1972年に『「尖閣」列島--釣魚諸島の史的解明』を発表し、日本の尖閣諸島領有は国際法的に無効であると主張。
昭和から平成へと代わる時期に、歴史学的立場から、元号問題について「元号ではなく、西暦を採用すべきだ」という趣旨の発言を行った。
1997年
中国社会科学院から名誉博士号を授与される。」

(※) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%95%E4%B8%8A%E6%B8%85_(%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E5%AE%B6)

 井上清がもし存命だったら、姜瑜報道官の発言をどう思っただろうか。多分、自説が中国のお役に立ててよかったと喜んだに違いない。日本近代史を専攻する学者でありながら、マルクス主義の人民史観にたつ井上清は、日本の近代化を決して評価せず、近代国家日本のあら探しを続けた。その結実が、「天皇の戦争責任」などの左翼的な著作だ。

 「”尖閣”列島―釣魚諸島の史的解明」という書名だけ見ても、日本を断罪し、中国に加担する立場が明らかだ。尖閣には引用符が付けられていて、その名称自体に問題があると示唆している。これに対して、釣魚諸島という中国側の名称には引用符が付けられていない。
 1996年に書かれたこの絶版本が、今頃亡霊のように現れ、中国側の領有権主張の「根拠」となっている。井上清は「日中友好人士」として有名だったが、このように中国側の厚遇を得て、体制批判を続けた「進歩的文化人」が数多く存在した。「京都大学教授」という権威を利用して、売国的活動を続けた井上の罪科は特に重い。

 井上清が尖閣諸島を中国領だと主張する根拠には、決定的な誤りがある。現代世界各国の国境線の根拠となっているのは、近代国際法(万国公法)だ。この万国公法の「先占権」という概念に従えば、尖閣列島は100%日本の領土である。中国側は、古文書に「魚釣島」(中国側の名称)を見いだすというのだが、それは近代以前の東アジア世界、すなわち「華夷秩序」の朝貢関係に基づく世界の出来事にすぎない。もし、中国側が領有の根拠を前近代まで遡ると主張するのなら、中国は何故、イギリスが香港を租借するのを1997
年までの99年間も容認したのだろうか。香港に関しては、近代国際法(万国公法)の取り決めを守り、尖閣諸島については何故守らないのだろうか。実にいい加減なご都合主義と言わなければならない。

 前原国土交通大臣は「東シナ海には領土問題は一切存在しない」と明言している。鳩山前首相が「尖閣諸島問題は…」と不用意な発言したことがあるのに対し、前原大臣の発言は冷静で適切だった。これこそ日本側が主張すべき言葉だ。
 1972年、日中国交回復時に棚上げにされたはずのこの問題を、中国が経済発展を遂げ、方や日本が八方ふさがりという状況下で、突然、中国の「民間漁船」が
 尖閣諸島に領海侵犯する。これが中国側の意図的な挑発でないとしたら、どれほどの偶然が重なったとでも言うのか。 

 中国が描く領土(版図)は、清朝時代の史上最大版図だ。この華夷秩序下の版図には、内外モンゴル、チベット、ウィグル、台湾が含まれる。さらに朝貢関係にあった琉球(沖縄)までも勢力圏におく。言うまでもなく、清朝は満州族の征服王朝であって、漢民族の王朝ではない。清王朝を倒した中華民国が、「ひとつの中国」という「大中華民族」を煽ったのであって、歴史上、中国がひとつであったことなど一度もない。にもかかわらず、中国共産党は、これらの地域がすべて「ひとつの中国」だと主張しているのだ。現代世界で、このような領土的野望を抱く国家が他にあるのだろうか。

 井上清は、京都大学教授という権威のもとに、中国共産党の宣伝マンを続けてきた。祖国の領土を中国の領土だと主張した14年前の著作が、いま日の目を見ているのだから、草場の陰の井上は本望だろう。

《姜瑜報道官の発言》

 姜瑜報道官は、「日本は釣魚島(日本名:尖閣諸島)海域で中国人漁船員を不法に逮捕した」と繰り返し主張し、当面の急務は日本が中国人船長を一刻も早く帰国させることだと述べた。

 続けて、中国各地の人びとは日本が中国人漁船員を不法に逮捕したことにきわめて大きな憤慨を示しているとし、「国家主権および領土を守るための意志と決意を十分に示すものである」と述べた。
 さらに、「中国は釣魚島をもっとも早く発見した国であり、管轄権を行使する国である」と述べ、日本と中国がともに領有権を主張する尖閣諸島問題に興味のある人は、京都大学の井上清教授が執筆した尖閣諸島にまつわる歴史と帰属問題に関する書籍に目を通すよう提案した。

 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0914&f=politics_0914_018.shtml



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16 コメント

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読ませて頂きました (匿名キボンヌ)
2010-09-26 08:08:25
中国のやり口ってマフィアとかと同じですよね。
やれやれ。
船長を釈放しないと中国にいるフジタの社員を言いがかりつけて捕まえて脅迫。
ならず者ですよ。
やっぱ、中国人嫌いです。
記憶違いなら申し訳ないんですけど、昔、本屋で「世界中で嫌われる中国人」って本売ってたような気がします。
かなり、自信が無い記憶です。
すいません。
写真の報道官…モロ共産主義者って顔してますねw
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歴史は歴史・・・ (正義マン)
2010-09-29 20:17:24
井上清教授の研究は歴史を尊重し、間違いなかった研究だと思います、でも、日本中の誰でもこの歴史事実を認めたくないけど・・・
領土問題に対し、暴力ではなく、静かにした方が良かったと思います。売国じゃないけど・・・
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井上論文に反撃を (トンボ)
2010-10-05 21:57:41
中国がなぜあれほど自国領と主張するのか根拠を知りたいと思い検索中に井上論文にヒットしました。「正義マン」さんが言うように内容に一理はありますが、領土問題は、井上教授が帝国主義的と認めない「万国公法」によらざるを得ないでしょう。
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Unknown (torumonty)
2010-10-06 08:00:31
井上清論文は、万国公法を否定するという以上の根拠は持ち合わせていないようです。この国際法は西洋列強によってアジアに強制されたものではあったものの、現時点でこれを否定すれば、それこそ国境線などあってないようなものになります。中国は、それを知りながら、勝てると見た相手には牙を剥いて襲いかかるということです。
このブログを「ネット右翼」だとして引用した輩がいますが、とんでもない話です。「右翼」の宣伝だと思われていた「中国は琉球(沖縄)を自国領土と主張している」という話は、嘘などではない。中国の論理(中華思想=華夷秩序)からすれば、当然なのです。マスメディアは、そこまで掘り下げて決して報道しません。酷い話です。
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あのー (fsneak)
2010-10-07 00:37:46
井上教授は確かにその「万国公法」を帝国主義だと大的に批判したのですが、その法に適用しても中国領だという結論に至ったのではありませんか。たとえば、尖閣諸島を海上防衛の区域に加えるのが実効支配の一種類だそうです。今の海上保安庁が船を派遣して島を巡視させるのと同じものだと思います。
当時の明清の人は島を
発見
名づけ、
航海の標記として利用
繰り返し自分の公式記録に記入
「中外ノ界ナリ」と表現
海上防衛の区域に加える
などのことをしました。
国際法のことはよく分かりませんが、ここは自分の領土だ!と示すには、当時の人は一体また何をしなければならなかったのでしょうか?
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Unknown (とと)
2011-07-18 23:45:53
なんつーかもう少し教養を磨いた方が良いのでは?
冷静さを欠き、相手を罵倒するような人間の意見なんぞ
仮に正しくても、誰も敬意をはらってもらえる訳なかろう
ネトウヨが京都とかで逮捕されてるのを見ても分かるだろうが
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井上清氏の尖閣諸島に関する論文 (関西風来庵)
2011-10-17 22:13:42
この人は井上論文を読んだことがあるのだろうか?井上氏を単に共産主義に傾倒しているというだけで井上氏の論文を否定することは問題ではないか。論文のどこがどのように間違っているなど具体的な指摘がない単なる感情論だけで人の共感を得ようとしても今の日本人は聞く耳を持ちませんよ。
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Unknown (ととと)
2012-10-11 05:45:28
日清戦争勃発(明治27年)→尖閣諸島領有を閣議決定(明治28年)→いろいろあって日本無条件降伏(昭和20年)→ポツダム宣言により日本は日清戦争以降に得た領土を全て放棄(沖縄は尖閣ごとアメリカ統治)→沖縄返還・・・尖閣ごと(昭和47年)この頃から中国が騒ぎ始める。
大義名分的には中国に利がある。・・・がアメリカにはモノ言えないけど日本ならという感じだろうか。
というか沖縄と尖閣をセットにしたアメリカにも問題がある。話がこじれている元の原因。
とはいえ今更返しますと言うわけにもいかない。なにしろ相手は1歩引けば3歩踏み込んでくるから。
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真実 (真実)
2012-10-27 21:06:47
井上先生は売国者ではありません。日本と言う国が心の底から愛している。尖閣諸島の問題は明らかにアメリカの仕業であり、日中友好となったら、一番困るのは誰だ?アメリカに決まっている。日中は元々領土問題がなく、共産党も戦争賠償を放棄すると明言した。日中本当に仲良くなったら、アメリカの時代は終え、アジアの紀元が開く。でも、さすが、アメリカ!!!尖閣諸島領土の問題を作り上げた。この問題がある限り、日本は何れ二流の国になる。軍備競争になると、国の財政は破産してしまい、結果的にはアメリカの1つの州になるではなく、中国の1つの省或いは1つの自治区になるに違いない。
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Unknown (kk)
2012-10-30 20:45:43
アメリカ憎しのマルクス社会主義者から見れば
支那はまともで尖閣問題は問題をアメリカが起こしてきたという論になるのか。まあいろんな言い方もあるものだと改めて驚かされた。
共産党独裁支配で選挙権もない国と一応アメリカは大統領も選挙されて選ばれる国を比べてみて、どちらが国としてまともか明らか。
一体何を根拠に共産党一党独裁国でデタラメ
言い放題の、恐喝まがいの発言をする支那政府に肩入れする必要があるのか。
日本に中国と言うべきだと要求したのは
支那である。日本はそれを認めて今日中国と言っている。日本以外の国ではシナと読んでいるそんな国は世界に多数ある。
日本を見下した差別発言である。なぜ支那は
日本にとって中央の国なんだ。このことひとつとっても、いつまで、被占領国の日本でいなくてはならないのか。いつまでも戦勝国の目線から日本を見下げている.
支那国が友好国とは何を
根拠に言えるのか。
毛沢東の崇拝者であった井上とかは毛沢東によって何千万もの支那人民が粛清され、
惨殺された事実にはしらんぷりか。
日本軍国主義とか言って目の敵にしているが
日本軍は無闇矢鱈に軍の手で日本国民を
殺戮してはいない。日本が悪かったから
原爆を落とされたのではない。落としたアメリカが大量殺戮をしたのである。
現在支那共産党によってどれだけの支那国民
が弾圧され人権無視され、非人道的な扱いをされているか。
支那国土内での大体的なデモであれだけ
暴動起きる状態は大した問題ではないのか。
銃とか武器で人民を弾圧しなければ、
国がもたない。そんな支那と民主主義的アメリカと比べることさえそうとうの無理があるし、ましてアメリカより
支那の方が日本にとって有利だなんて、何を
根拠にそんな馬鹿なこと言えるのか。実に不可解である。









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