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たらふく
【意味】 たらふくとは、腹いっぱいのこと。
【たらふくの語源・由来】 漢字の「鱈腹」は、タラの腹部が膨れていることや、大変な大食漢であることからの当て字で、その由来は「鱈の腹」で間違いないが、「たらふく」という言葉を「鱈の腹」からとするのは間違いである。 たらふくの語源は、「足りる」や「足る」など、「十分になる」意味の動詞「足らふ(たらふ)」に、副詞語尾の「く」が付いたものとされる。 飲食物を腹いっぱいに摂取する意味の「足らひ脹るる(たらひふくるる)」が転じたとする説もあるが、江戸中期には、たらふくが「飽き足りるほど」の意味で用いられ、飲食に限定されていない例がある。
語源由来辞典
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しかし、私個人としては「鱈の腹」から「たらふく」のほうが、妙に納得するのですが・・・。スーパーに並んでいる「鱈」をみれば、きっと納得するはずです。
漢字では身が雪のように白いことから「鱈」と書きますが、これは和製漢字だそうです。日本では古くから、大きな口を開けて他の生物を捕食することから「大口魚(たいこうぎょ)」と呼ばれていたそうです。なお、この和製漢字(国字)は、中国でも一般的に用いられているそうです。漢字の逆輸出とでもいうのでしょうか。
食性は肉食性で、多毛類・貝類・頭足類などの無脊椎動物や他の魚類を捕食します。
タラを解剖すると少なからぬ胃潰瘍の病巣が認められ、これがこの過食によるものだとする説があるそうです。
「タラ」語源を「まだら」だという説があります。身体に「斑(まだら)」があるためです。
実際に「鱈」のことは「真鱈(まだら)」といいます。
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北海道周辺に住んでいるタラの仲間3種の比較
北海道周辺には、スケトウダラ、マダラ、コマイの3種類のタラの仲間が住んでいます。
3種とも背びれは3つあります。
スケトウダラは細身で目と口が大きいのが特徴です。
マダラ、コマイは上あごが下あごより前に出ていて、下あごにヒゲが1本あります。
スケトウダラは下あごが上あごより前に出ていて、下あごにひげがありません。この違いは、食べ物の種類の違いを反映しています。スケトウダラは、海底の物を食べるより自分の体より上にある物を食べるのに適した体のつくりをしています。
スケトウダラの名前の由来についてはいろいろな説がありますが、江戸時代の魚鑑によると、佐渡の近海で多くとれ、しかも味がよいことからこの名が生まれたと言われています。つまり、「佐渡」は佐:スケ、渡:ト=スケトと読めることから由来したと言われています。
釧路水産試験場 調査研究部
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また、「コマイ」の語源は「こまい(ちいさい)タラ」だといわれています。
これはよくできた話ですが、実はアイヌ語が語源です。昔は、これもアイヌ語ですが「カンカイ(寒海)」と呼ばれていました。昔はカチカチに干して、金槌で身をほぐして食べていました。
しかし、昭和40年代に「氷下魚(こまい)」と表記され生干しのものが出回り、今では酒の肴に欠かせないものになっています。
氷下魚の由来は厳冬期に氷を割って漁獲(氷下待ち網漁)したことによります。
「たらこ」とは「スケトウダラ」の卵巣のことです。
こちらでは、タラの精巣(白子)のことは「タチ」といいます。「スケトウダラ」の白子は「助ダチ(すけだち)」と呼ばれています。タラ鍋には欠かせない食材です。
「マダラ」の精巣は「真ダチ(まだち)」といわれ、新鮮なものは刺身で食べられます。天ぷらも美味しいです。
したっけ。