都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
東京オリンピックの開会式が行われ、ついに開幕しました。
「安心安全」を繰り返し続けていたはずでしたが、昨日夕方のNHKニュースでとんでもないことがさらっと流れました。
選手のPCR検査は以日行うはずでしたが、まさかの検査キット不足で検査ができなかったことが分かりました。
できなかった選手は翌日2回の検査をしたそうです。
そういう問題ではないと思います。回数合わせをすればいいのであれば何のための検査か分かりません。
バブル方式は破綻してしまいました。
東京の感染者も急増しています。
オリンピックが去って、感染者だけが残ったとならないよう祈るしかありません。
とはいえ、選手のみなさんは自ら感染対策を万全にして最高のパフォーマンを見せてほしいものです。
社説:東京五輪開幕 何のための大会、問い続けて 2021年7月23日 16:00 京都新聞 新型コロナウイルス感染拡大のため1年延期されていた2度目の東京五輪が、きょう開幕する。
1964(昭和39)年に行われた前回の開会式は、抜けるような青空の下で催された。国立競技場では8万人の観衆が94カ国、約6千人の選手団の行進に見入った。
観覧した作家の舟橋聖一は本紙への寄稿で「この極彩色の、しかし思想的には無色の、美しい秩序に魅せられざるを得ない」と感動を込めて書いている。
戦後復興と世界平和を象徴する祭典の幕開けは、当時の多くの国民に鮮やかな印象を残した。
だが今回の五輪は、祝祭ムードや高揚感にはほど遠い。
東京はコロナ感染の再拡大で緊急事態宣言下にある。感染力の強い変異株が広がり、新規感染者が2千人に迫る日が続いている。
人出の抑制が求められる中、海外から数万人もの選手・関係者が集うことの危険性を、医療の専門家らは繰り返し指摘してきた。
そうした警告を聞き流すかのように、政府や大会組織委員会は開催の「強行」に踏み切った。
国民の命や健康と五輪をてんびんにかけたような危うい判断だ。
根拠なき「安全安心」
感染が拡大すれば医療態勢が逼迫(ひっぱく)する恐れもある。大会が継続できなくなる可能性も絵空事とはいえない。8月8日の閉会式まで、薄氷を踏むような17日間である。
開閉会式をはじめ競技のほとんどが無観客となる。声援も選手との交流もない。「おもてなし」どころか、開催地の国民から切り離された「異形の五輪」である。
何のため、誰のための五輪なのか。今回ほど、その意義を根底から問われている大会はなかろう。
政府など主催側は感染対策の徹底を強調するが、事態は専門家の予測通りに深刻化しつつある。
来日した選手や関係者からも陽性者が相次いでいる。選手らを隔離する「バブル方式」のほころびも次々と指摘されている。
こうした現状に、国民の多くが不安を抱いている。とても五輪を祝福できる雰囲気ではない。
だが、開催国トップの菅義偉首相は根拠もなく「安全安心な大会にする」と繰り返すばかりだ。五輪開催の理念や意義も、実効性ある感染対策も示してこなかった。
そればかりか、20日の会合でワクチン接種に触れ、「長いトンネルにようやく出口が見え始めている」と述べた。感染状況への認識のずれにはあぜんとさせられる。
五輪に懐疑的な雰囲気は、なお国民の間に広がったままだ。
共同通信が今月17、18日に行った世論調査では、無観客開催を43%が評価した一方で、開催中止を求める声も31%に上った。
五輪に反対する署名活動にも多くの支持が集まっている。
コロナ流行の長期化で営業や移動の自粛を強いられ、国民の間に格差や不公平感が渦巻いている。
五輪を別格扱いするような政府の姿勢に納得できない思いを抱く人がいるのも無理からぬことだ。
そうした批判が、代表選手に出場辞退や開催反対を求めたり、有観客での競技を受け入れた自治体への抗議となって表れたりした。
憲章の精神かけ離れ
五輪への賛否が感情的となり、国民が「分断」されているかのようだ。五輪スポンサーの大手企業トップらが開会式欠席を表明したのも、世論が割れる中で消費者の反発を考慮したためだろう。
五輪憲章はオリンピック精神として「友情、連帯、相互理解」などを掲げている。開催国の状況がこうした精神とかけ離れてしまったことは残念だ。
今大会の理念は、誘致段階から揺れ動いた。当初は東日本大震災からの「復興」を掲げ、安倍晋三首相(当時)は東京電力福島第1原発の汚染水を万全に管理できると大見えをきった。
だが、事故処理も復興もなお途上にある。その後、五輪の趣旨は「コロナに打ち勝った証し」「世界の団結」に次々と変わった。
被災地を尻目に、東京エリアの開発ばかりが目に付く。復興が誘致の踏み台にされたかのようだ。
菅首相は6月の党首討論で、場違いにも64年東京五輪の思い出話を長々と語った。五輪を機に高速道路や新幹線が実現した時代への幻想を抱いているように思えた。
今回、異論にも耳を貸さず「開催ありき」で突き進んできた背景にも、巨大イベントによる政権浮揚を図りたい狙いが透ける。
選手の純粋さに価値
多くの国民は、こうした「政治の都合」を見抜いている。それが五輪への冷めた視線につながっていることを忘れてはならない。
そんな中にあっても、出場するアスリートたちはベストを尽くしてほしい。観客の声援はなくても、鍛え抜かれた力による真剣勝負は多くの人を引きつけるだろう。
64年五輪で、舟橋は「アマチュアスポーツの感激はひとえに邪悪のない無色鮮明なスポーツマンシップにある」とも指摘した。
競技に臨む選手らの純粋さが高い評価を得られるなら、それこそが五輪本来の値打ちではないか。
大会のレガシー(遺産)が、インフラでも政治的成果でもないことを再認識させるに違いない。
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