地獄(じごく、Skt(サンスクリット語): Naraka、音写:奈落)とは仏教における世界観の1つで最下層に位置する世界。欲界・冥界・六道、また十界の最下層である。一般的に、大いなる罪悪を犯した者が死後に生まるる世界とされる。
欲界(よくかい、skt:kaama-dhaatu )とは、仏教における世界観のなかで欲望(色欲・貪欲・財欲など)にとらわれた生物が住む世界。三界の一つで、地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人(にん)・天上(神)が住む世界のこと。なお、天上界は、三界のうち上に行くほど色界と無色界があるが、それより下部にある欲界に属する天を六欲天という。
冥界(みょう‐かい)とは仏語における死後の世界。あの世。冥途(めいど)。めいかい。六道のうち、地獄・餓鬼・畜生の三悪道。特に、地獄道をさすことが多い。
六道(りくどう、ろくどう)とは、仏教において迷いあるものが輪廻(りんね)するという、6種類の迷いある世界のこと。
・人間道(にんげんどう)
・修羅道(しゅらどう)
・畜生道(ちくしょうどう)
・餓鬼道(がきどう)
・地獄道(じごくどう)
十界(じっかい)とは、天台宗の教義において、人間の心の全ての境地を十種に分類したもので、六道に声聞・縁覚・菩薩・仏の四を付加したものである。十界論、十方界あるいは十法界(じっぽうかい)とも言われる。天台教学の伝統を表した『仏祖統紀』巻50に出る。
地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天界・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界に分類され、これらの総称が十界である。
地獄は一番下にあり、仏界は一番上にあります。私たちの住む人界は真ん中あたりより少し下でしょうか。
仏界と地獄界はそれこそ天と地ほどの差がありますから、「地獄で仏」などありえない話です。
地獄は、サンスクリット語で Naraka(ナラカ)といい、奈落(ならく)と音写されるが、これが後に、演劇の舞台の下の空間である「奈落」を指して言うようになった。
日本の仏教で信じられている処に拠れば、死後、人間は三途の川を渡り、7日ごとに閻魔をはじめとする十王の7回の裁きを受け、最終的に最も罪の重いものは地獄に落とされる。(7×7=49日)
地獄にはその罪の重さによって服役すべき場所が決まっており、焦熱地獄、極寒地獄、賽の河原、阿鼻地獄、叫喚地獄などがあるという。そして服役期間を終えたものは輪廻転生によって、再びこの世界に生まれ変わるとされる。
輪廻転生(りんねてんしょう)とは死んであの世に還った霊魂(魂)が、この世に何度も生まれ変わってくることを言う。
十六小地獄(じゅうろくしょうじごく)は、仏教の地獄に伝わる八大地獄の周囲に存在する小規模の地獄で、地獄に落ちた亡者の中でもそれぞれ設定された細かい条件(生前の悪事)に合致した者が苦しみを受ける。条件は当時の倫理観や仏教の教えに沿っているため、中には現在の倫理観や社会風俗などに合わないものも存在する。
仏教では地獄は正方形をしており、四方向(東西南北?)に四つの門があり、門一つごとに小地獄が4種類で、4×4で十六種類あるとされている。条件に合った亡者の他に、大地獄から逃げてきた亡者が迷い込むこともある。
・十六小地獄 (等活地獄) 必要がないのに生き物をむやみやたらと殺す、などの「殺生」の罪で落とされる等活地獄に付随する小地獄。「刀を使って殺生した」などの細かい条件によって十六種類の地獄が用意されている。ただし、その内9種類は、「正法念処経」においては名前のみで内容が記されていない。
・十六小地獄 (黒縄地獄) 「殺生」に加えて「盗み」の悪行が加わると落とされる黒縄地獄に付随する小地獄。ここにも十六種類の小地獄があると伝わる一方で、「正法念処経」には3種類の名前・内容しか記されていない。
・十六小地獄 (衆合地獄) 「殺生・盗み」に加えて、倒錯した性嗜好などの「邪淫」の悪行が加わると落とされる衆合地獄に付随する小地獄。「妻以外の女性と性行為を行った」などの細かい条件によって十六種類の地獄が用意されている。
・十六小地獄 (叫喚地獄) 「殺生・盗み・邪淫」に加えて、酒に関係する悪事を犯した「飲酒」の罪を犯した者が落とされる叫喚地獄に付随する小地獄。そもそも初期の仏教では、酒を飲む事それ自体が(建前上)禁止されていた。「酒に毒薬を混ぜて人に与えた」などの細かい条件によって十六種類の地獄が用意されている。
・十六小地獄 (大叫喚地獄) 「殺生・盗み・邪淫・飲酒」に加えて、嘘をついて人をだますなどの「妄語」の罪が加わった者が落とされる大叫喚地獄に付随する小地獄。「他人の田畑を奪い取るために嘘をついた者」などの細かい条件によって十八種類の小地獄が用意されている。ここのみ二種類多いことになるが、本来黒縄地獄に入れるべき物が混ざったのか、理由は明らかでない。
・十六小地獄 (焦熱地獄) 「殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語」に加えて、仏教の教えとは相容れない教義を信じ(神仏習合の例もあるように、単なる異教崇拝とは違うらしい)、その誤った考えを民衆に広めて、また実践した結果、自分も含めた多くの人の生命や財産を損じた、「邪見」の罪が加わった者が落とされる焦熱地獄に付随する小地獄。「”殺生をすることで天に転生することができる”という邪見を述べた者」などの細かい条件によって十六種類の小地獄が用意されている。
・十六小地獄 (大焦熱地獄) 「殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見」に加えて、童女や尼僧など清く聖なる者を犯した「犯持戒人」の罪が加わった者が落とされる大焦熱地獄に付随する小地獄。「仏門に入ったばかりの尼僧を犯した者」などの細かい条件によって十六種類の小地獄が用意されている。
・十六小地獄 (無間地獄) 「殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見・犯持戒人」に加えて、「父母殺害」「阿羅漢(小乗仏教における聖者)殺害」など、仏教における最も重い罪を犯した者が落とされる無間地獄に付随する小地獄。「仏像・仏塔・寺社などを破壊した者」などの細かい条件によって十六種類の小地獄が用意されている。
この他にも、どの地獄に付随するのか不明な「黒沙地獄」がある。熱で焼けた黒い砂が罪人を骨まで焼き尽くす。
≪以上参考≫ウィキペディア
じ‐ごく〔ヂ‐〕【地獄】
《(梵)naraka(那落迦)、niraya(泥黎)の訳。地下の牢獄(ろうごく)の意》
1 仏語。六道の一。この世で悪いことをした者が死後に行って苦しみを受けるという所。閻魔(えんま)大王が生前の罪業を裁き、獄卒の鬼が刑罰を加えるという。八熱地獄・八寒地獄などがある。奈落(ならく)。⇔極楽。
2 キリスト教で、神の教えに背いた者、罪を犯して悔い改めない魂が陥って永遠の苦を受け、救われないという世界。⇔天国。
3 イスラム教で、この世の終末に復活して受ける審判によって、不信仰者や不正を行った者が永劫の罰を受ける所。罪人であっても信仰者はやがて天国に入れられる。ジャハンナム。
4 非常な苦しみをもたらす状態・境遇のたとえ。「試験―」
5 火山の、絶えず噴煙が噴き出している所。また、温泉地で絶えず煙や湯気が立ち、熱湯の噴き出ている所。「温泉場の―巡り」
6 劇場の舞台の床下。奈落(ならく)。
7 下等の売春婦。私娼(ししょう)。
大辞泉
酒を飲むことが罪になるのなら、酒を造ったもの、売ったものはどうなるのでしょう。この世の飲酒をする人はことごとく地獄に落ちることになります。
しかし、これは飲酒が禁じられていた初期の仏教の話です。お酒は仏教用語で「般若湯(はんにゃとう)」といわれるくらいですから、ご安心下さい。
嘘をついた者、仏教以外の宗教を信じたものまで地獄に落とすなら、地獄に落ちないものはいなくなるでしょう。
地獄などと言うものは、自らの宗教を信じさせようとして、創造した小道具に過ぎません。
たとえ、どんな地獄に落ちようと、服役期間を終えたものは輪廻転生によって、再びこの世界に生まれ変わるとされるのですから、救済措置は残されているようです。
そんなものを信じ恐れおののいて生きるより、今を精一杯生きることが大切だと私は思います。
したっけ。