尾張の本草学を知りたくて、この本を借り出した。江戸時代の本草学は今の用の医学のための薬草さがしという役目があった。小笠原登はハンセン氏病に関係してくる。何故か福神漬の資料調査でハンセン氏病にたどり着く。何かがあるとしか思えない。
資料を読むと幕末期以前に尾張藩には他の藩と違った本草学が発展する基盤があった。その基盤の上に東海道を通過する旅人から情報を得ていたようだ。一時は幕府と対決していた尾張藩の体質が尾張本草学の水谷豊文・伊藤圭介・田中芳男へと繋がる博物学・植物学へゆく系統と医学にゆく系統を発展させたようだ。
大垣藩関係の宇田川 榕菴(うだがわ ようあん)も関係していて、伊藤圭介が江戸で一月ほど宇田川と同居していたようだ。築地の蘭学の巣窟だった桂川家に蔵書と蘭医が集まってくる。