早速漬物の業界新聞食料新聞社からハラル認証を受けたガリ生姜はないと返事が来た。日本国内のハラル認証組織に電話したようだ。ハラル対応のガリ生姜は創ることがことができるが日本人が納得できる味にはならないようだ。他の日本固有の食品もハラル対応に努力しているようだが漬物は今の外国人観光客の需要と縁がなくハラル対応ガリに挑戦していることはまだ聞かない。もしかするとイスラム圏なら認証されたハラル対応のガリ生姜があるかもしれないが量的な問題で日本に輸入することはないだろう。
取引先のすし屋へタマゴ焼き等を納品している業者より問い合わせがあった。イスラム圏から来ている観光客用のすし屋で提供できる信頼のおけるガリ生姜がないかと問い合わせがあった。ネットではあるようだが業界の信用もあるし、世界で供給する漬物を日本で信頼の置ける業者として自負している身としては築地のすしの信用を汚さずハラル対応のガリ探しの一日となった。数時間経ったがいまだ見つからない。業界誌にも依頼した。
数年前ある会合でミツカン酢の人と隣となった。この件を話すとミツカンは愛知県半田市で酒粕から醸造酢を作っていたのでアルコ-ル発酵があるので無理だという。植物系の酢ならばハラル対応になるかも知れないといわれた。リンゴ酢とかみかんの味であるクエン酸の酢しかないだろう言われた。この事を思い出しあまりにも植物系の酸味ではガリの味を確保できないので業界の信頼できるメ-カ-がハラル対応のガリを製造していない事を理解できる。売り上げのため節操ない仕事を築地の人としてしたくはない。一時の売り上げで末代までの恥はさらしたくない。
すでにしょう油と味噌はハラル対応の商品があるようだ。しょう油はキッコ-マンとチバ醤油が対応する商品を開発したようだ。酢屋のハラル対応の酢はすし飯用の酢のように思える。漬物のガリはもともと梅酢から始まったので醸造酢の上品な味でないとガリ用の酢ではない気がする。梅酢で赤シソを漬けるときれいな赤い液が出る。これで紅生姜が昔は染めていた。今は人工着色料使用でゴマ化しているが天然着色料としてシソ梅酢の用途が多い。もうじき梅仕事の季節が始まる。