お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ヤシャカマス初確保

2022年07月09日 | 市場
 今日は風が強く定置網漁の出漁を断念。陸で仕事をしていると風が止み、出漁。他の定置網も出漁する。操業を終え帰港し市場を覗くと大きなカマスの仲間が水揚げされている。これはと思い直ぐに見に行く。すると思った通りヤシャカマスの様に思える。ヤシャカマスは魚ボラの学生が論文を執筆し、2年前に日本初記録種として標準和名が提唱された。それまでに標本は確保していなかったのだが、これまで私が定置網や市場などで撮ったオニカマスの写真の中にヤシャカマスが混ざっており、論文に写真資料として使って頂いた。オニカマスと思って撮っていた写真は近年の個体は殆どがヤシャカマスで、逆にオニカマスが最近見つかっていない状況である。標本を確保していなかったので、今度見つけたらサイズに関係なく確保しようと思っていた。という事でこの個体を魚ボラの標本用として即座に確保する。勢いで確保したものの、このサイズは家の冷凍庫に入るはずもなく、今日は土曜日なうえ夕方には私も加盟している地域団体の草払いに参加しなければならない。仕事が終わり、大学に連絡してみると学生はいるみたいである。一応、大学へ往復する時間はギリギリあるので走る事に。だが、本当にギリギリなので大学の門で学生に標本を渡し、大学構内には入らずに帰宅。帰宅し準備して草払いもギリギリで間に合う。オニカマスはよく港の中などで幼魚を見掛ける。この幼魚もヤシャカマスが混ざっている可能性があるので、今度は幼魚も確保しようと思う。

ヤシャカマス








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

間に合わなかったテンジクガレイ

2022年06月02日 | 市場
 今日は市場にテンジクガレイが1個体揚っていたので、魚ボラの標本用に確保する。テンジクガレイは定置網で獲れ、ここでは普通種である。だが、自分では気付いていなかったのだが、今までに魚ボラ用の標本を確保していなかったのである。昨年、大学へ行った時に魚ボラの学生がテンジクガレイを研究対象にしているとの事で確保依頼を受けた。その頃、市場には連日テンジクガレイが揚がっていて、その日にも揚がっているのを見ていたので、明日、遅くても数日中には確保出来ると思っていた。ところが翌日からテンジクガレイは市場から姿を消し、今日まで揚がることが無く確保することが出来なかった。その学生も3月には大学を卒業してしまい、標本を渡すことが出来ず申し訳なく残念でならない。実はこのように注文を受けると何故か急に手に入らなくなる現象がよくある。標本に限らず特に水族館からの注文では頻繁である。秋から春に毎日数個体獲れるコモンフグだが、水族館から注文を受けた途端獲れなくなったのには本当に驚いた。今後、このような事が無いように標本用に確保していない魚を今一度洗い出し、覚えておかなければならない。

テンジクガレイ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

悩ましいニシキカワハギ属幼魚

2022年05月30日 | 市場
 今日は定置網漁の水揚げ作業後、天気が悪くその日の仕事が終了。その後、市場内を散策しているとお隣の定置網が漁を終え帰港する。水揚げ作業が始まり、何か面白い魚がいないかと選別作業を手伝う。するとニシキカワハギ属の幼魚を発見。体色から自分が知るニシキカワハギ(ブログ2017 5.1)ではない。となるとこの時点で初確保決定。種名までは覚えていないがニシキカワハギ属の中に体色が前後で別れている種がいるのは知っていたのでそれだろうと思う。家に帰り調べると直ぐにヌリワケカワハギと判明。一応検索図鑑で調べるとヌリワケカワハギもニシキカワハギと同じく鰓孔の周辺に暗色斑があるとなっている。更に第一背鰭棘の後側面に下向きの微小棘が多数あるとなっている。先ず暗色斑だが、この個体の状態があまり良くないうえ、まだこのサイズではニシキカワハギでも現れていなかったので確認出来ないかもしれない。だが、背鰭棘はニシキカワハギと同じで微小棘が多数ではなく、下向きの強い小棘が10本までは確認出来ないが並んでいる。となるとヌリワケカワハギではないのだろうか。となるとジョンストンニシキカワハギの可能性が出て来る。だが、ジョンストンカワハギは珍しいみたいで情報が少ない。ジョンストンカワハギは胸鰭の基部に暗色斑があるらしい。この暗色斑も状態が悪い為か幼魚な為か確認は出来なく結局迷宮入りとなる。ここで諦めようかと思ったがネットで色々と調べるとFishBaseでランドール氏が撮った沖縄産のヌリワケカワハギの写真に目が留まる。背鰭棘を見るとこの個体と同じように強い小棘が並んでいるのが確認出来る。という事でこの個体はヌリワケカワハギと自分では同定。でも、FishBase内のヌリワケカワハギの写真の中でもこの写真だけである。こうなって来ると逆に背鰭棘側面の小棘が同定のキーとなるのだろうかと検索図鑑すら疑ってしまう。調べれば調べる程わからなくなってしまう。結局はいつもの魚ボラ任せとする事に。



ニシキカワハギ属幼魚の背鰭棘




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アカイサキ

2022年05月24日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、市場で水揚げしていると綺麗な見慣れない魚が並んでいる。アカイサキである。アカイサキはここの市場では年に一度揚がるかどうかという程滅多に見ることが出来ない魚である。よく見ると口から胃袋が出ており、かなり深場で釣って来た感じであり、そのような漁師さんが少ないのである。その為、魚ボラの標本用にもまだ確保していない。アカイサキは雌雄で体色が違うのだが、見れば雌雄共に揃っており絶好のチャンスである。市場職員に話を聞くと滅多に揚がらないので値段がどうなるかわからないとの事。水揚げ前なら1個体ずつ確保出来るのだが既に水揚げ後で、伝票の関係で雄は雄だけでひと山、雌は雌だけでひと山で並んでいるので確保するとなると1個体だけとはいかず、ひと山取らなければならない。雌雄でひと山ならまだしも雄、雌と別れての山となっている。仲買も買わないと値段が付かないので全て取る訳にもいかず、確保するとなると雄全てか雌全てのどちらかとなる。どちらかとなると自分としては雄個体を欲しい。でも、雄は5個体もあり多過ぎる。雌が2個体でサイズも小さくお手頃となかなか思う様にはいかない。出来れば雌雄揃って確保したい思いもある。最近は珍しい魚を欲しがるお客さんがいるみたいで、変わった魚に驚くような値が付くことがある。今回もその可能性が考えられる。何だかんだ考えて結局今回は標本用に確保するのを諦める。仕事が終わってから市場職員にアカイサキがいくらだったか値段を聞くとキロ単価がめちゃくちゃ安かったみたいで確保しなかったことを後悔する。後で考えてみればアカイサキはうちの市場で珍しいだけで他の市場ではそこまでもなく、仲買にしてみれば珍しくはなく他所では手に入る魚ということであろう。次回に期待したいが何時になるのだろうか。

アカイサキ



アカイサキ(雄個体)



アカイサキ(雌個体)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残念 ミナミキントキ

2022年05月23日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると、大きめなキントキダイの仲間が揚がっているのが目に付く。背鰭・臀鰭軟条を見ると赤い斑紋の様なものがあり、この個体が以前からどの種になるのか気になっていた。現在魚ボラに丁度キントキダイ科を研究している学生がいるので、調べてもらおうと思い標本用に確保する。家に帰り一応ホルマリンは使わず展鰭して写真に収める。自分なりに同定してみると魚ボラOBが報告したミナミキントキの文献を見つける。文献内でこの赤い斑紋には触れていないが、ほぼ一致し、さらに掲載されている写真も各部分が一致。この個体がミナミキントキとわかってしまう。ミナミキントキはうちの定置網でも幼魚や若魚が獲れるが体色はもっとオレンジ色で体表の感じも違い、この個体がミナミキントキであるとは思ってもいなかった。何だかあっさりとわかってしまいちょっと残念。珍しいのであればそのまま大学へ走ろうとも考えていたが魚ボラの標本用に冷凍保存となる。

ミナミキントキ





背鰭第1~3棘間の鰭膜上に明瞭な黒斑がある



気になっていた背鰭軟条の赤い斑紋


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高級魚センネンダイ

2022年04月29日 | 市場
 今日はカガミダイの幼魚を活魚水槽に活かしに行くと、同じく活魚水槽に大きなセンネンダイが久し振りに揚がっている。センネンダイは今までに何度か定置網で獲れた事があるが(ブログ2012 9.12)、地元産の標本はまだ確保していない。標本に確保しようか悩むところではあるが、近年急にセンネンダイの市場での評価が上がり、高級魚と化している。更に今回の個体はサイズが大きく、このサイズで高値が付くととんでもない値段となりそうである。結局標本用として確保するのは諦める。仕事が終わり今日のセンネンダイの値段を聞くと思っていた以上の高値が付いたそうで手を出さなくて良かったとつくづく思う次第である。以前は標本サイズのセンネンダイも揚ったこともあり(ブログ2017 6.6)、その時はタイミングが悪かったものの、無理してでも確保しておけばよかったと後悔する。高級魚と化したセンネンダイを今後標本用として確保出来る時が来るのだろうか。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年初のフリソデウオ

2022年04月23日 | 市場
 今日はもう1種。うちの定置網の水揚げが終わると遅れてお隣の定置網船が帰港。いつも標本を確保してくれる方が私を見るなり手招きしてくる。行くとフリソデウオを確保したとの事である。標本を受け取る。今回のフリソデウオは今年初である。昨年は3月に立て続けに定置網で捕獲された(ブログ2021 3.6など)。だが、その勢いも3月の1ヶ月のみで終わる。その後、珍しく季節外れな12月にも1個体入網(ブログ2021 12.16)し、昨年はフリソデウオの当たり年であった。今年は3月には全く姿を見る事が無く、今回の個体は今年初となったが、昨年がいつもとは違っただけで、例年だと4~5月に定置網に入網するので例年通りといったところである。これからポツポツと出現するのかどうかはわからないが、今では普通種となったものの、やはり気になる存在ではある。

フリソデウオ


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつまで見られるだろうか ノミノクチ

2022年04月23日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、市場で水揚げしていると目の前に刺網の漁師さんが漁獲物を水揚げに来る。その漁師さんと話ししながら何気に漁獲物を見ると小さなノミノクチがいるではないか。今までにここで水揚げされたノミノクチは何故か殆どがこの漁師さんが水揚げされたものである。何故この漁師さんしか獲れないのかが不思議である。以前に確保した標本もこの漁師さんが獲った個体である。標本用に確保済みではあるが小さかったので確保する。この漁師さんはここの地域では一二を争う高齢な現役漁師さんで、今でも一人で船を出し漁労しておられ、自分はその年齢まで現役を続ける自信は全くなく、とても尊敬している。この漁師さんがもしも引退したらこのノミノクチもここでは見られなくなってしまうのだろう。



ノミノクチ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サケガシラ降臨

2022年03月01日 | 市場
 今日は作業を終え倉庫にいると市場職員から電話が来る。隣の漁協の定置網でリュウグウノツカイの様な魚が獲れ、市場に持ってくるとの事である。見に行くと既に大きな個体が水揚げされ市場内に横たわっている。見るとサケガシラである。サケガシラは日本各地の定置網でよく揚がり珍しい感じではない。だが、ここではよく似るテンガイハタは小さな個体が何度か揚がったものの、サケガシラはこの個体がまだ2個体目と非常に珍しく、リュウグウノツカイよりも稀である。この個体は1.5m位であるが、前回揚がったのは15年も前で今回の個体よりも遥かに大きく魚ボラの標本として確保することが出来ていない(ブログ2007 6.23)。その為、今回刊行された薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)には掲載されていないのである。その為、標本用に確保したいところではあるが、この個体を確保するとなると今日中に大学へ持ち込まなければならないが、今日は行く事が出来ない。更に最近はこのような大きく珍しい魚の需要があり、仲買が欲しがり売れるのである。今回も仲買が既に目を付け、電話でやり取りをしている。この個体は10数キロあり、金額が高くなるのは必至であり確保するのは諦める。入札結果はキロ単価が破格の千円を超え、漁獲した定置網の方としても捨てずに市場に持ち込んだ甲斐があり大変に良い結果となり、改めて手を出さなくて本当に良かったと思う次第である。サケガシラはリュウグウノツカイなどと同様にプランクトン食と思っていたが、この個体を見ると下顎に大きな犬歯が密集しているではないか。家に帰りネットで調べると、小魚やイカを食べると推測されているみたいで胃の中からイカのクチバシが多数見つかっているらしい。口が伸びる構造となっているので、小魚やイカを一瞬にして素早く捕食するものと思われる。これだけ大きな個体であるが、まだまだ謎が多い魚である。





口が伸びた状態



下顎内に犬歯が密集している



尾鰭は確認出来ない


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今季のマルヒラアジ

2022年01月21日 | 市場
これまで定置網や市場に揚がっていたマルヒラアジは頭部背縁が直線的な個体ばかりであった。それが4年前にいつもとは違うマルヒラアジを見つけ、頭部背縁が眼の前で凹み、体型が丸みを帯び、臀鰭に小白点がある事から、まだ見たことのないタイワンヨロイアジだろうと思い確保した(ブログ2017 7.28)。だが、大学に持ち込むとマルヒラアジと同定される。その後はポツポツとたまに市場に揚がるものの非常に個体数は少ない状況であった。それが昨年の11月頃から獲れ出したマルヒラアジは頭部背縁が凹む個体ばかりであり、今まで普通に見て来た頭部背縁が直線的な個体が見られない状況となっている。そして更に年が明けると揚がる量も増し、例年とは違う状況となっている。そして、先日やっと頭部背縁が直線的な個体も現れ、両個体が一緒に市場に揚がる。市場職員からもこれは魚種が違うのではと聞かれ、いつも見ている人が見ればその違いは一目瞭然と言える。どちらもマルヒラアジと言う事は性的二型があるのだろうか。となれば今までは雌雄のどちらかだけが獲れていたのだろうか。とにかく今年のマルヒラアジの出現は例年とは違い、今後どのように推移して行くかも気になる。今回は標本用に確保出来なかったが、今度はこの両個体を一緒に確保し、色々と調べてみようと思う。
マルヒラアジ(写真上:今季出現している個体  写真下:例年出現していた今までの個体)


頭部背縁が眼の前で凹む


頭部背縁が直線的


両個体が混ざって市場に揚がる
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タツウミヘビ属

2022年01月15日 | 市場
今日は市場での水揚げ作業も終わり市場内を散策。すると潮が速く潮待ちしていたお隣の定置網が操業を終え戻って来る。覗きに行くといつも標本用に魚を確保して来て下さる方が何か見つけたらしい。カゴの中に入っているという事で見に行くと見覚えのあるウミヘビ科の魚である。歯が非常に鋭く一見ウツボの仲間かと思わせるが小さな胸鰭があり、更に頭部の大きさの割に眼は非常に小さいのだが口は大きく裂けとても不気味でインパクトのある顔付のウミヘビ科の魚である。昔はうちの定置網にもよく入網しており、不気味さから見つけては直ぐに鉤で引っ掛け海に捨てていた。魚ボラが始まった当初も普通に獲れており、標本用に確保するとムラサキウミヘビと同定された。歯が鋭く長物だったので標本用に確保するのも登録作業をするのも当時では大変だった為、1個体でもあればいいかと思い、その後は確保していなかった。ところがそれからこのウミヘビ科の魚は急激に減ってしまい、滅多に見る事が出来なくなってしまったのである。更に最近鹿大所蔵標本のデータベースを見るとムラサキウミヘビの登録は無く、昔確保した個体はタツウミヘビ属の1種と再同定されていた。と言う事は魚種を突き止めるには標本も数が必要である。現在の魚ボラの学生達の技術であれば標本登録も心配ないので、このウミヘビ科の魚を探していたところであった。この個体は体がかなり傷んでおり、赤くなってしまっている。だが、今では滅多に見つからないので魚ボラの標本用に確保する。タツウミヘビ属は現在はムラサキウミヘビも含まれ国内では4種である。体に斑紋がなく頭部の形状からタツウミヘビかムラサキウミヘビとなる。頭長に対して全長が長い感じに見えるのでムラサキウミヘビのように思うが、昔から変わらずあとは魚ボラ任せとする。
*後日、魚ボラでムラサキウミヘビと同定されました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オキイワシ再来

2021年12月15日 | 市場
 今日は定置網漁を終え帰港すると市場に今年の9月にゴマサバから新種の寄生虫を発見し記載した(ブログ2021 9.24)鹿大の先生の研究室が来ている。講義で使う解剖用の魚が欲しいとの事で頼まれていた。先生に会うと先に帰港したお隣の定置網の漁獲物から既に魚を確保しており、面白い魚も獲れたと見せてくれる。見るとオキイワシである。オキイワシは非常に珍しく、昨年の12月にここでは初めて確認され、うちの定置網の両隣の網で混獲された魚である(ブログ2020 12.5)(ブログ2020 12.22)。先生達もこの魚が珍しい事はわかっていたらしく、解剖用には使わず魚ボラ用にと直ぐに譲って頂く。私も今日、丁度大学へ行く予定なので頂こうとしたが、夜に地元で会議があるので時間次第では行くことが出来ない。幸い、学生さんが今日魚ボラへ顔を出すそうなので、この個体はその学生さんに届けてもらう事になる。仕事を終え帰宅すると大学へ行っても夜の会議にはまだ間に合いそうなので、急いで準備し大学へと走る。今日は水曜日で魚ボラの日である。教室に入ると既に標本登録作業が行われており、今朝のオキイワシも既に展鰭され、撮影を待っている状態であった。更に今日は殺してしまったセレベスヒレアナゴ(2021 12.9)も持ち込み、標本登録してもらう。解凍すると思っていたよりも状態は良く、安心する。そして今日は一度お会いしたかったウナギ目の研究者の方も来鹿しており、お話しすることが出来た。でも、あっという間に帰らなければならない時間となり、残念ではあるが帰路に就き、夜の会議にも遅れることなく出席することが出来た。

オキイワシ





鹿児島大学郡元キャンパス





オキイワシ



マブタシマアジ





セレベスヒレアナゴ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

またトラカマス

2021年12月09日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、水揚げ終了後市場内を散策。すると沢山魚が並ぶ隅っこでトラカマスを発見。トラカマスは先月もうちの定置網で獲れ、標本用に確保している(ブログ2021 11.17)。まだまだ確保した標本は少ないし、そのまま気付かれずに仲買に買われてしまうのも勿体ないので標本用に確保する。この個体はトラカマスとしてはまだ幼魚であるが、普通に水揚げしているアカカマスやヤマトカマスなどと比べればサイズ的には大きい。となると、食べると美味しいのだろうかという事も気になる。だが、食べるにはもう少し標本数を増やしてからだろうと自分に言い聞かせ、魚ボラの標本用に冷凍保存する。





トラカマス
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

序でに確保した魚 アンダマンアジ

2021年12月03日 | 市場
 今日は市場でヨコヅナマルコバン(のちに判明)を標本用に確保している。なので今日は大学へ行く事になると思うので、他に持ち込むような魚がいないか市場内を探す。昨日、一昨日と時化だった為、今日はどこの定置網も漁獲が多く、特にロウニンアジやマルヒラアジなどヒラアジ類の魚種が多い。まだ水揚げ中の定置網を覗くと選別前の魚が沢山入ったカゴがあり、その中を探すとホシカイワリの幼魚を発見。ホシカイワリは以前に同じサイズ位の標本を確保しているが、もう何年も前の話である。大学のカメラが良くなったので改めて綺麗な写真を撮ってもらえればと思い、大学へ行く序でにと言う事で確保する。大学へ行くと持ち込んだマルコバンがコガネマルコバンなのかヨコヅナマルコバンなのか、そればかりが気になる。すると横でホシカイワリを精査していた学生がアンダマンアジではと。そんな事ないだろうと思うが、鰓耙数がホシカイワリとは被らずアンダマンアジとの事。学生が代わる代わる鰓耙数を数えるがやはりアンダマンアジと同定される。アンダマンアジは国内では珍しく、沖縄島と九州東岸から記録されていたが写真すら見た事がなく、本当に日本に生息しているのだろうかと思っていた。それが2年前、種子島の定置網で漁獲されたアンダマンアジが鹿児島中央市場に揚がり、仲買さんがFBにアップされていて、それを見て鳥肌が立った。その時はホシカイワリと思われていたみたいであるが、問い合わせると後日また入るという事で確保してもらい鹿児島県産のアンダマンアジが報告された。この時の個体は大型で見た目でアンダマンアジとわかったが、幼魚こそまだ見た事がなく、アンダマンアジの幼魚は自分では未知の魚であった。Fishbaseにアンダマンアジの幼魚の写真が掲載されているが、それもホシカイワリの幼魚ではと疑っていた位である。またしても自分の悪い癖でホシカイワリではという思い込みが強く、今回もアンダマンアジを全く疑う事なく気付く事が出来なかった。この個体がアンダマンアジと同定され、ヨコヅナマルコバンよりもこちらの方が自分としては収穫が大きい感じであり、大学へ行く序でと言う事で確保した魚であるので驚くほど運が良かったとその運命に感謝である。









アンダマンアジ幼魚

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小さなヨコヅナマルコバン

2021年12月03日 | 市場
 今日は定置網漁を終え帰港すると、市場に小さなマルコバンが1個体水揚げされているのが目に付く。だが、今回の個体は背鰭軟条も短くコガネマルコバンの可能性がある。仲買人が来る前に確保する。家に帰り調べるとやはり普通のマルコバンではなくコガネマルコバンの可能性の方が高い。魚ボラの先生に連絡するとヨコヅナマルコバンの可能性も指摘される。確かにそうである。以前にコガネマルコバンに同定された個体が内部骨格の違いからヨコヅナマルコバンと改めて再同定されている(ブログ2019 7.9)。外見だけでは両種は判別出来ないのである。コガネマルコバンなら初確保、ヨコヅナマルコバンでも若魚は初確保となり、どちらの種でも初確保となるので綺麗な写真を撮ってもらう為に大学へと走る。大学に到着し先ずは展鰭して標本写真を撮ってもらう。その後ホルマリンで固定し、固定が終わり標本となってから頭部の骨格を調べるので今日は同定結果は出ないのだろうと思っていた。だが、固定する前に頭部を解剖し上後頭骨を調べてくれる。その結果、ヨコヅナマルコバンと同定される。自分としてはコガネマルコバンであれば標本確保魚種がもう1種増えるので良かったのだが、ヨコヅナマルコバンでも確認魚種としては増えないが、このサイズは初確保なのでやはり嬉しい。この個体は日本国内でヨコヅナマルコバンの3例目となりそうである。頭部を解剖した後は傷口を糸で縫合してからホルマリン固定となる。今後、ヨコヅナマルコバンかコガネマルコバンの標本は全て頭部に糸で縫合した跡のあるものとなりそうである。

市場に水揚げされているのを見つける



魚ボラの標本用に確保する



鹿児島大学へ









頭部を解剖し、上後頭骨を確認する







上後頭骨を確認する







解剖後、傷口は糸で縫合する



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする