お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

日本初記録種 新称イワツキクロダイ

2017年12月08日 | 魚ボラ
 昨年の今日、うちの定置網で獲れた謎なクロダイ属の魚。その日のうちに鹿児島大学へ持ち込んだものの、その場では同定できずに終わる。後日、魚ボラの先生が見て、その特徴的な顔つきに見覚えがあり、調べたところ日本ではまだ見つかっていないAcanthopagrus taiwanensis Iwatsuki and Carpenter, 2006と同定される。そして日本魚類学雑誌に論文が投稿され、標準和名をイワツキクロダイと提唱される。種名のイワツキとは魚類学者で宮崎大学教授の岩槻教授である。岩槻教授は魚ボラの先生の恩師である。またこの魚を新種記載したのも岩槻教授である。新種記載したのも岩槻教授であり、先生からの要望もあったので今回イワツキクロダイとなる。これで魚ボラの先生も恩師に恩返しができたのではないだろうか。魚ボラの先生には私もサクヤヒメジの学名やイトウオニヒラアジの標準和名に私の名を付けて頂いた。うちの網でこのイワツキクロダイを確保することができたので、私も魚ボラの先生に少しは恩返しができただろうか。今度は魚ボラの先生用にオニカサゴ属の未記載種もしくは未記録種を見つけ出し、学生に論文を書いてもらい、魚ボラの先生の名を付ける番である。それで学生達共々と恩返しをすることが一番の理想である。





上:イワツキクロダイ  下:クロダイ

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ふたつの新聞記事

2017年12月08日 | 日記
 今朝、いつものように新聞を見ると魚関連の記事を見つける。このブログでも紹介した図鑑「鹿児島湾の魚類」の記事である。更に別の欄には「鹿児島の海で魚5種初確認」と題して、今回発行された魚類学雑誌に掲載された鹿児島県で得られた初記録種についての記事が載っている。同じ新聞に鹿児島大学総合研究博物館魚類研究室関連の記事がふたつも載るなんて今までには無いことである。だが、いつもは未記載種、初記録種の場合は社会欄に載り、更に論文を書いた学生の顔写真も載るのだが、今回は社会欄に図鑑の記事が載ったことで別な欄となり、その為か学生の名は記載されたものの顔写真はお預けとなってしまう。更にこの5種に含まれているうちの定置網で獲れた初記録種は提唱された魚種名すら載っていない。だが、魚種名が載らなかったのは逆にラッキーだったかもしれない。今回提唱された魚種名は特殊な理由でついた名なので、もしも新聞に載っていたら地元の人達にこの名前について聞かれ、その度に説明しなければならなかったであろう。でも、やはり新聞に載り、ひとりでも多くの方にこの魚について知ってもらいたいという気持ちもあり、とても複雑な気持ちである。



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