日本魚類学会が発行する国際誌の電子版にスミクイアカカサゴとアズキカサゴの論文が掲載された。これは執筆した魚ボラの学生の研究で判明。この2種は約100年前まではそれぞれアカカサゴと別種と見なされていたが、学術的な根拠が乏しく、外見が似ていることから、その後は同種とされていた。それを世界の博物館に所蔵されている1000個体を超える標本を調べ、この2種が鱗数、口腔内の色彩、遺伝子などの違いを突き止め、アカカサゴとは別種であることが判明。アカカサゴと同種であるという定説を覆したのである。この2種は今までに何度もお世話になり乗船している深海エビ漁でも採集されており、この著者の学生とも一度一緒に乗船している。この事は地元紙に掲載されたうえ、Yahoo!ニュースにまで取り上げられ、その事を乗船した船の方にも伝えたところ、大変に喜ばれ、こちらとしても嬉し限りである。このスミクイアカカサゴとアズキカサゴは深海エビ漁で標本を確保済みであるが、スミクイアカカサゴは当時沢山確保したアカカサゴの中から後日見つかり、運が悪い事に生鮮時の標本撮影をしなかった中の1個体であったそうで、鹿大には生鮮時の写真が無いとの事。その為、論文には京都大学の写真が掲載されている。今年も深海エビ漁が始まったらまた乗船させてもらい、スミクイアカカサゴの生鮮時の写真を鹿大のデータベースに登録しなければならない。それには現場でアカカサゴとスミクイアカカサゴを見分けられる様に自分もスキルアップせねばならぬ。
アズキカサゴ