今日は定置網漁を終え帰港して水揚げ作業をしていると、市場にホウセキキントキが揚がっているのが目に付く。いつもの光景であるが尾鰭が深く湾入している事に目が行く。ホウセキキントキの尾鰭は湾入するのが当たり前であるが、この個体はその湾入が非常に深い。今は水揚げ作業中で忙しいので取り敢えず写真に収め、あとでじっくりと見てみようと思い作業を続ける。だが、作業終了後はその事を忘れてしまう。家に帰り、夜に今日撮った写真をパソコンに移す作業をしていてこのホウセキキントキの写真を見て思い出しハッとする。気になりネットで様々なホウセキキントキの画像を片っ端から見るが、これほど深く湾入している個体を見つけることが出来ない。それどころかこの個体の様に尾鰭の両端が長く伸びるよく似た台湾に生息する国内未記録種を見つけてしまう。その個体は腹鰭に特徴があり、見れば直ぐにわかるのだが、今朝撮った写真は腹鰭が畳まれた状態で確認することが出来ない。更に撮った写真をよく見ると頭部背縁が眼の前でへこんでいる。と言う事でホウセキキントキなのかこの日本未記録種なのか結局わからず迷宮入りとなる。やってしまった感が非常に強く、後悔に反省。そんな簡単に日本未記録種が見つかるとも思えないが、今朝揚がっていたので近いうちに同じような個体が水揚げされる可能性もあるので、そこに賭けるしかない。
尾鰭が深く湾入