今日は定置網漁で網を絞ると、目の前に小さな緑色の塊が動いている。急いで掬い取る。見るとハコフグ類の幼魚のようである。だが、定置網や素潜りでは今までにまだ出会ったことのない体色に姿である。とても可愛い感じなので生かした状態で持ち帰る。家に帰り泳ぐ姿を撮影。その写真をパソコンで拡大して見ると画像でしかまだ見たことのないコンゴウフグの幼魚である。コンゴウフグは最近はあまり見かけなくなってしまっているが、以前は幼魚から成魚まで定置網で普通に獲れ、水族館などへも搬出している。コンゴウフグと言えば著しく長く発達した眼上棘や腹側隆起棘が特徴であるが、このようにまだ未発達の小さな幼魚を見るのは初めてである。同じコンゴウフグ属のシマウミスズメなどはこのサイズの時点で既に眼上棘や腹側隆起棘が確認できるのだが、棘が何倍にも発達するコンゴウフグなのに、この時点ではまだ確認出来ないというのも面白い。家に水槽を構えていれば飼育したいところではあるが、現在は海水用の水槽は無いので今回は標本用にする。
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