最近は定置網に小さなイケカツオ、ミナミイケカツオの入網が増えて来ており、今年もアキイロイケカツオが来ないだろうかと期待している。そんな中、今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると漁場が近くの小型定置網の人が軽トラに魚を積んで水揚げに来る。何を水揚げに来たのかと魚を入れたカゴを運んでいるところを見ると、カゴから尾鰭が飛び出す程の大きなサイズの魚を入れており、更に遠目で見てもイケカツオの仲間である事がわかり気になる。見に行くとオオクチイケカツオである。しかも驚くことにカゴには3個体も入っているではないか。オオクチイケカツオは今までにここでは2個体見つかっており、最初に見つけた個体は5年前で日本における3個体目の記録ということで報告している(ブログ2019 3.9)。それからも報告はされていないが各地で見つかっているらしくネット上でその姿を見ている。でも、未だに国内では珍しい魚である。その珍しい魚が一度に3個体も揚がるなんて本当に驚きである。更に今までに個体は体色が銀白色であったが今回の個体は少し黄色味掛かっている。となるとアキイロイケカツオや国内未記録種も疑い興奮するが携帯で確認すると残念であるがやはり普通のオオクチイケカツオである。3個体共魚ボラの標本用に確保したいところではあるが、明日地元での大きなイベントがあり今日から準備をしなければならず時間がない。サイズ的に家に置くことは出来ず直ぐに大学へ持ち込まないといけないので今回標本用に確保するのを泣く泣く諦める。普通に入札され誰かに食べられてしまうなんて本当に悔しい限りである。でも、最近はイケカツオやマルコバンなどが市場では非常に人気が出て来ており、その人気に伴い単価も急上昇している。今回の個体はサイズも大きく、それが3個体となると金額的にも非常に恐ろしく確保出来なくて良かったのかもしれない。でも、やはり今後も悔しさが後を引きそうである。
オオクチイケカツオが一度に3個体も
普通に水揚げされてしまう
オオクチイケカツオ
オオクチイケカツオの鱗
写真上:イケカツオ、中オオクチイケカツオ、下ミナミイケカツオ