今日の定置網漁で採集したトビウオ類幼魚とナンヨウサヨリ幼魚と最後のもう1種、ウスバハギ幼魚である。ウスバハギの幼魚は昨年の11月にも定置網で採集したが(ブログ2019 11.21)、あれから半年ちょっと経ち、さらに成長した個体を見つけ、今回も丁寧にタモ網で掬いとる。折れやすい背鰭棘も無事である。こちらも持ち帰り撮影。撮影する為に鰭を立てようとすると臀鰭、尾鰭に寄生虫が吸着しているではないか。背鰭棘が折れないか心配し、背鰭棘だけ集中して見ていたのか、それとも撮影個体が多くよく見ていなかったのか、寄生虫には展鰭するまで全く気付かなかった。寄生虫を取り除いてから撮影しようと思ったが、これも記録かなと思いそのまま吸着した状態で撮影する。魚ボラの標本用にもそのまま吸着した状態で冷凍保存する。
今日の定置網漁で標本用に確保したのはトビウオ類幼魚の他にもう2種あり、そのうちの1種。サヨリの仲間の幼魚が獲れ、見ると体側に横帯が現れている。体側に横帯があるサヨリの仲間と言えばホシザヨリである。だが、昔ホシザヨリの幼魚が獲れた事があり、写真に収めている。その写真を見ると体高や体色など違い別種の様に思う。検索図鑑で調べるとホシザヨリかナンヨウサヨリに落ちる。となるとナンヨウサヨリとなるのだが横帯が気になる。そこで稚魚図鑑で調べると、ナンヨウサヨリは稚魚期に5横帯があるとなっている。更に科博のデータベースを見ると横帯が現れているナンヨウサヨリの写真も見つかる。これでこの個体がナンヨウサヨリの幼魚であることがわかり、小さい時は横帯があることを初めて知る。
今日の定置網漁は少し風があり水面はちょっとざわざわしている感じ。だが、漁場に着くと定置網内は風の影響なく穏やか。トビウオ類の幼魚を期待する。網を絞ると思った通りトビウオ類の幼魚が群れている。その中に以前採り逃がし悔しい思いをしたヒゲの長い個体がいる。その個体のみ集中して採集。操業中なのでそのあとは適当に掬う。全部で5種6個体採集。持ち帰りそのうち4種5個体を撮影する事にする。また同じように横からと上から撮影するので、5個体ともなるとこれだけで結構時間が掛かりそうであるが、今日はトビウオ以外に更に撮影する魚がもう2種おり全部で7個体もある。普段は撮影の事を考えて暗くなる夜に行うが、時間を考え、帰ってから直ぐに取り掛かる。結局半日掛かってしまう。今回ヒゲの長い個体を始めて採集。稚魚図鑑で調べると長いヒゲの他、胸鰭が暗色であることからカラストビウオの幼魚ではないだろうか。今後もこの種の成長過程がわかる個体をゲットしたい。