「山の季」は、山形交通グループの宿で、全13室という、こじんまりした宿です。
背広姿の男性が迎えてくれ、仲居さんらしくない(?)きびきび、しゃきっとした女性に部屋へ案内される。
部屋はデラックスツイン。
デラックスと名が付くが、料金的には案外安い。
他にも和洋室があるけど、洋室だけというのはこの部屋だけのようです。
リビングとベッドルームの間に、ユニットのバスルーム、洗面所、冷蔵庫、洋服収納のスペースがあり、
トイレにいたっては、2箇所もある。
ただし、風呂の湯は、非温泉。
浴衣が2枚、足袋、ソーイングセットにあぶらとり紙まで。
しかし、ポットは電気ポットではない。
これが、電気ポットなら言う事がないほど満足なのに・・・。
残念ながら風呂があまりおもしろくないのです。
21:00で男女交代になる大浴場と貸切風呂x1。
露天風呂はありません。
↑は、チェックイン時、女性用だった、桧の風呂。
こちらは、石の風呂。
どちらも3階にあり、展望風呂というふれこみですが、立ち上がって景色を眺めると、向かいの民家から
こちらが丸見えかもしれません。
いずれも源泉かけ流しですが、桧の風呂の湯の方が濃いように感じました。
食事は、朝・夕共に食事処で頂きます。
定評通り、料理はおいしかったです。
器も私好みのものが多く目でも楽しませていただきました。
左、前菜の一皿ずんだまんじゅう。
小ナスの漬物。
氷水の中でき~んと冷えています。
本来、ご飯と一緒に出される漬物ですが、お口直しに・・・と、途中で出てきました。
しっかりした歯ごたえ、浸かり具合も丁度良く、唐辛子もぴりっと利いていて、おもわずお替りが欲しくなるほどおいしかったです。
どのタイミングで供されたのか忘れましたが、さっぱりしたものが食べたくなる時でした。
これは、葛素麺をあしらった蟹寄せ。
青いものは、わらびとミズ。
上に乗るのは、木イチゴ。
寒天をくずしながら、薄味のだしにからめて頂きます。
ミズのこりこり、蟹の甘み・・・楽しい一皿でした。
簡単なお品書きが添えられていますが、食材までは書かれていません。
何度か、「これは何・・・?」と、訊ねる私にしゃきしゃき仲居さんからは、的確な答えが返ってきました。
米沢牛のしゃぶしゃぶ。
これで1人前。
朝食に野菜料理が並びます。
山形名物「だし」はもちろん、青菜のお浸し、酢味のトコロテン、ふきの煮物、サラダ、さしみ蒟蒻・・・。
豪華な朝食でした。
朝食後、ロビーでは「笹野一刀彫」が店開き。
上杉鷹山公が農民の産業振興策の一環として奨励し、代々、家内相伝で伝承されてきたという。
材料の木は、こしあぶら。
山菜の中でも、天麩羅にするとおいしいあのこしあぶら。
サルキリ、チヂレという独特の刃物であっという間に白布の白猿が出来上がり、客にふるまわれる。
かなりのお歳のようだが、老眼鏡もかけられず手元は大丈夫なのか・・・?
聞いてみました。
半分は勘・・・だそうです。
凄いですねぇ、身につけた技。
辰年ではないけれど、この色合いが好きで、これを買いました。
裏に、作者、六代目加藤彦四郎さんのサインと日付入り。