水平線の向こう、積乱雲までに至らない雲が流れて
7月2日、はんげしょう。
なにゆえこの日が「はんげしょう」なのか。諸説があって掴みどころのない不思議な日。
子供心に耳に残っている、おふくろがよく口にしていた言葉を思い出す。
「はんげの禿げあがり」このころになると梅雨が上がる・・・という意味のことだったと思う。
「半夏生(はんげしょう)」これは半夏と呼ぶ毒草が生えるという意味で、昔はそのために毒気が空中に立ち込めると言って、畑の野菜類を取って食べることを控え、井戸には前の日からふたをする習慣があった。と言われている。
実際には「はんげしょう」という名の草があってこの時期に白い花を咲かせる。
花の周囲の葉っぱが一斉に白い色に変って見える。その様子が、草全体が半分お化粧をしたように見える。
つまり「半化粧」というのが語源と言われているから、呼び方は同じでも、半夏生と半化粧は別物として考えるのがよい。と歳時記の拾い読みでsる。
それにしても「半化粧」とは、どうして半分なの?何か急なことでも起きて、半分しか出来なかったの?などと、なんとなく男心をそそる呼び名ではある。
梅雨も上がらぬ蒸し暑さと湿っぽさの中で考えることではないような気もするが、日本の夏を彩る風物詩であるなら、ちょっと理屈を飲み込んでおこうかと・・・。
それにしても、同じ発音でまるで意味が異なる日本語。その難しさを改めて知る思いの、文月の冒頭である。