ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

娘よ(87)~スタジアムでサッカー観戦~

2017-10-01 21:59:51 | 生き方
昨日のサッカーJ1の試合、アルビレックス新潟は負けた。
新潟の16試合ぶりの勝利はならなかった。

しかし、わが家にとって、ほぼ5年ぶりの出来事があった。
それは、サッカー観戦のことである。
私と息子は、シーズンパスを持っているからいつも出かけている。
しかし、娘が病にかかってから、家族4人がそろってサッカーを見に行くことはなくなったのである。
娘は、4年5か月前に突然倒れ、救急搬送されて入院した。
およそ1年半の入院生活をして3年前に退院したが、脳炎の影響で何度も全身痙攣を起こし、記憶障害となってしまい、足腰もすっかり弱ってしまった。
立ったり座ったりすることも、階段歩行することも、ふらつくことが多かったのだ。
主治医からも、どこかへ連れていったりすると、何かが刺激となって、また痙攣発作を起こすことがあるから、気をつけるように言われていた。
だから、車に乗せていくとしても、時間がかかるようなところは行かないようにしてきた。
また、階段など上り下りの多いところは、避けてきた。
出かけるのは慎重に行って来た。
しかし、最後の痙攣発作から、3年となった。
散歩やステッパー等の毎日のトレーニングで、足腰もだいぶしっかりしてきた。
階段昇降などにはまだ不安があるようだが、ふらつくこともなくなった。
そろそろ、少しはいいのかな、と判断した。

サッカー観戦には、新潟市のデンカ・ビッグスワンスタジアムまで車で約1時間かかる。
ただ、駐車場からスタジアムまで歩くと、娘の足ではおよそ20分ほどかかるはず。
それも、毎日の散歩を繰り返すことによって、往復しても大丈夫だろうと考えた。

車でスタジアムに向かうのは、妻と娘と私。
息子は用事があって、別行動。
車で向かう途中はひどい雨風となったが、駐車場に着く頃、幸いにも雨が上がった。
スタスタではないがゆっくり歩いてスタジアムに到着。

ゲートを通って、手すりにつかまりながら娘はゆっくり上がった。
計時してあった等身大ポスターの前での記念撮影。
娘は、山崎亮平を選択。


座席は、バックスタンド2階のEスタンド自由席。
これまた急な階段を、手をつないだ妻と共に空席を探して登っていき、席を確保した。
私や息子は、最近はいつも新潟サポーターが陣取るNスタンドで応援していた。
こんな高いところから試合を見るのは、10年ぶりくらいになるかもしれない。

試合の見え方が違う。
違う場所に来たみたいな気分になった。
やがて、連絡をすると、Nスタンドにいた息子が、Eスタンドに場所を移動してきてくれた。
これで、一家4人そろっての新潟応援となった。

5年ぶりと書いたが、発病した4年5か月前の5月に、娘は、ゴールデンウイークの甲府戦でサッカー観戦をしたことがあったのだった。
ただ、それは家族そろってではなかったのだが。

5年という月日は、過ぎてしまえばあっという間だったが、あの娘が入院中の毎日は、明日がどうなるかわからない不安の中にいた。
今、ようやく5年ぶりに、あの頃と同じように、家族みんなでアルビレックス新潟の応援をしている、ということに感激であった。

昨日書いたように、試合は残念ながら敗れてしまった。
娘は、勝利の女神になりそこねた…!??
J2降格が目前に迫ってしまった中、気は重かったが、心はそこまで重くはなかった。
娘と共に久々にサッカー観戦ができたから。
当たり前のことが当たり前にできるようになってきたことが、たまらなくうれしい。
まだ記憶障害の回復には時間がかかりそうだが、これも一歩ずつ歩んでいくしかない。

家に帰ってから、家族4人で乾杯した。
娘は薬を飲んでいるから、ノンアルコールビールで。
試合は「完敗」だったけど、観戦に無事に行って来られたこと、家族全員で行けたことに、祝杯をあげたのであった。
コメント
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