先日、台所の片隅から、妻が、袋にこんな表示があるものを見つけた。
「05.2.」とある…?!
2005年2月が賞味期限という訳だ。
13年も前のものだ。
見つかったのは、袋入りの小豆。
袋の封はまだ切られていなかった。
その密封がよかったのか、封を開けてみると、虫に食われるなどしているような悪い豆は見つからなかった。
賞味期限は、もう13年も前だ。
買ったのは妻ではない。
うちは、娘が餡子(あんこ)が嫌いなので、小豆など妻は買わない。
もちろん私でもない。
そう考えると、買ったのは、13年前に亡くなった母ということになる。
買ったけれども、病気になって調理等することができなくてそのままになっていたということだろうか。
保存状態がよかったので、「もったいない主義」の妻がチャレンジした。
圧力鍋等を使って、小豆を茹で、食べられるようにした。
一部は餡子にした。
見た目には、何ら悪いところは見えない。
普通の餡子だ。
その一部は、蒸しパンの中に詰めた。
味も、まったく普通の餡だった。
小豆を餡子として調理したのをいただくのは、子どもの頃、端午の節句に笹団子を作ってもらって以来になる。
もう40年以上も前になるだろうか。
懐かしい味に思えた。
茹でた小豆は、そのほか、煮かぼちゃと一緒に添えられて夕食の食卓にも上った。
もったいない精神を発揮して、手間をかけて作ってくれた妻に感謝。
そして、たぶん小豆の袋を買ったであろう母に…、
「ばあちゃん。代わりに食べたからね。うまかったよ!」