「あなたは、人間のクズ!サイテーよ!」
なんて言われたら、まあやっていけないだろう。
けど、植物のクズのことを知っていたら、「人間のクズ」と言われると、「ありがとう」と応えたくなるかもしれないな。
だって、まずクズの花は特徴的で、それなりに美しいんだもの。
見るからにマメ科の植物の花だなあと思う。
そして、紫、赤、ピンク、黄色などが混じった花は特徴的だ。
多くの大きな葉に埋もれながら咲いていることが多い。
花を見つけると、不思議な美しさを感じてしまう。
そして、クズは、人の役に立つ。
「くずゆ」というおいしいものがあったじゃないか。
クズの根から取ったデンプンを、お湯で溶かしたものだ。
風邪薬で、「葛根湯」というのがある。
「くずねゆ」と声を出したら、笑われた。
「かっこんとう」と読むのだ、知らないのかと嘲笑の対象となってしまった。
まあ、それはおいといて。
それには、漢方薬として、クズの根(葛根…カッコン)が使われているのだ。
花や葉も根も、生薬として利用されているという。
そんな、いろいろと人の役に立ち、見た目にきれいな花も咲かせるクズ。
実に有用でいいやつじゃないですか!!?
だから、「人間のクズ!」と言われたら、「いやあ、そんなにいい奴じゃありませんよお…。」と照れてもいいのかもしれないな…??!
ただ、クズは、世界的にどこにでも生えて、ものすごい繁殖力がある。
除草剤に強く、根絶が困難だから、厄介者となり、海外では、侵略的外来種にも指定されているのだそうだ。
たしかに、すごい多くの葉を茂らせ、あちこちにツルを伸ばし、勢力を拡大している。
なので、「人間のクズ!」と言われたら、
「いやあ、それほどでも…。でも、そこまで伸びていませんよお。」
などと、とんちんかんな返答をするのが、正直というものかもしれませんな。
クズ。
夏から秋にかけて、よく見かける。
美しい花と有用性とたくましい繁殖力をもった多年草である。