ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「努力は報われないこともある」と羽生選手は語ったが…

2022-02-10 22:50:40 | ひと
「努力は報われるんだなと思いました」(女子スノーボードハーフパイプ;富田せな)
「努力しても報われないこともあるんだなと知りました」(男子フィギュアスケート;羽生結弦)
今日の北京五輪では、「努力」したことが「報われる」と「報われない」の、正反対の発言があった。

「報われた」という富田選手は、ハーフパイプの種目で、日本女子としては初めてのメダリストとなった。
前回の五輪では、入賞止まりだったのだから、メダルを獲得できたというのは、その後の努力が確かに報われたと言える。

「報われない」方の発言をした羽生結弦選手は、フリーで8位から4位まで上がったが、五輪3連覇はならなかった。
期待された4回転アクセルには挑戦したが転倒したし、メダルの獲得はならなかった。
でも、その努力が無駄に終わったのかというと、見ていた私たちにはそうは思えない。
彼が努力してきたことを知っているから、ここまで見せてもらえている。
彼の演技は、目が離せない。
演技の質が高い。
それは、ここまで積み上げた彼の努力で磨かれたものだ。
だから、目が引き付けられる。
今回目が引き付けられたのは、1~3位のネーサン・チェン、鍵山優真、宇野昌磨と、羽生。
それ以外では、6位のジェイソン・ブラウンだけだった。
以前のネーサン・チェンも、ただ4回転ジャンプが複数できるだけの選手であったが、羽生に勝つために練習して、様々な技術や演技力を高めてきたからこそ、今日のすばらしい結果を生むことができたのだ。

羽生自身には不運がいろいろ重なったが、フィギュアスケートの発展には、すごく寄与していると思うのだ。
そのすごさを間近で見てきた、チェン、鍵山、宇野らは、間違いなく羽生を目標にしてきたからこそ、ここまで力を高めてきたはずだ。
羽生選手でない選手が、2つのメダルを得た。
もし、羽生が日本人選手でなければ、日本人選手の力はここまで伸びなかったのではないか。鍵山、宇野の両選手がメダリストになっていただろうか、と思ったりもする。
日本男子のフィギュアスケートを間違いなく高めているのだ。

そして、世界で初めて4回転アクセルという跳び方に失敗したという認定のされ方をしたのだから挑戦した甲斐はあったのである。
その認定を受けるだけでも、大変なのだから。

個人でメダルが取れなかったけれども、その努力が、見ている私たちの、そして共に戦う選手たちの、心を動かしている。
努力が報われていることは、別な形で表れている。
ありがとう、羽生選手。
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