ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

北京五輪終わる ~「人が人として人を大切にする」がキーワードのオリンピックだった~

2022-02-21 22:05:04 | スポーツ
北京五輪が終わった。
東京五輪でもそうだったが、競い合うことによって、人間の限界に挑む姿をたくさん見ることができた。
試合後には、勝者も敗者もなく称えあう姿に、やはりスポーツはいいなあと思った。

今回の北京で、特に感じたのは、

人が人として人を大切にする

ということの大切さに、今までになく光が当たったオリンピックになった、ということだ。

そのことを感じたシーンや出来事を挙げてみる。

●開会式の聖火を灯すときに、ウイグル族関係の女性選手を起用したことは、本当は厳しい差別があるのに、中国政府が諸外国からの批判の目をそらすためだと言われた。
●スノボのハーフパイプで、超高度の技を決めた平野歩夢の得点が低く抑えられたことにブーイングが飛んだ。平野選手は、「選手は命がけでやっているのだから、採点の基準をしっかり定めてほしい」と、選手をもっと大切してほしいということを話していた。
○高得点を出して逆転優勝したその平野歩夢に、前王者ショーンホワイトがすぐに称えに行った。
○スノボビッグエアで、岩淵麗楽は逆転をねらった3回目でに大技のトリプルアンダーフリップにトライして転倒したが、高難度の技へ果敢に挑んだ姿勢ともう少しで成功だったというパフォーマンスに、他国の選手がコースへ出て称賛の抱擁に駆けつけた。
●ジャンプ混合団体で、日本の高梨選手はじめ強豪国の何人もが、今までとは違う測り方をされてスーツの規定違反で失格となった。
○その高梨選手を助けようとチームメンバーが温かく接し励ますとともに、2回目に日本は4位まで順位を上げ、3位に迫った。
○金メダルと銀メダル3個を獲得した高木美帆選手に、かつてコーチは、「同じ人間なのに、なぜはじめから自分はできないとあきらめるのか」と奮起を促したことが、今日につながった。
●12月のドーピングの結果が五輪期間中に陽性と出たのに、参加が認められた女子フィギュアのワリエワは非難の嵐にさらされ、フリーでは力を出せず失敗ばかりの演技になってしまった。
●フリーでミスを連発したワリエワに厳しい言葉を投げかけたコーチに批判が殺到した。
○男子フィギュアの羽生結弦選手が、フリーやエキシビションの演技後、何度も観衆等周囲の人たちに対して「ありがとうございました」という言葉を発していた。
○カーリング日本女子のロコソラーレのメンバーが、互いに声を掛け合ったりうまくいかなかった選手を慰めたりして、励まし合って戦う姿は、好感をよんだ。また、メダルはメンバーの一人一人が順々にかけていき、5人目の石崎選手にも同様にかけられた。
○メダルの有無に関係なく、多くの選手が、ここまでこれたのは自分を支えてくれたたくさんの人たちのおかげだと、試合後のインタビューで感謝を語っていた。

人種差別の問題、不可解なジャッジの問題、ドーピングの問題、コーチのパワハラの問題など、いずれも、人を大切にしていないがゆえに起こり、私たちの心に不快な思いを生じさせたのだった。

反対に、様々な姿が感動を呼んだが、私たちの心を強く動かしたのは、国や人種、民族が違っていても同じ人間が見せる姿のすばらしさだった。
そのすばらしさは高度な技ばかりはもちろんだが、選手たちの人間性からもたくさん感じられた。
いや、むしろ後者の方からより多く感じられたと言える。

なんだかんだといっても、すべて北京五輪が開催されたからこそのものだ。
パンデミックの中で、無事にオリンピックが終わったことに、関係したすべての人たちに心から感謝したい。

北京五輪、ありがとうございました!
コメント
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