ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

畑を耕しながら、金子みすゞの詩「土」を思い出した

2023-03-06 19:43:10 | 生き方

         土      

                      金子みすゞ

       

       こッつん こッつん

  打(ぶ)たれる土は

  よい畠になって

  よい麦生むよ。

 

  朝から晩まで

  踏まれる土は

  よい路(みち)になって

  車を通すよ。

  

  打たれぬ土は

  踏まれぬ土は

  要らない土か。

 

  いえいえそれは

  名のない草の

  お宿をするよ。

 

かたくなった畑の土を、鍬で懸命に耕していたら、金子みすゞの詩に「土」というのがあったことを思い出した。

「 こッつん こッつん」という表現自体が畑を耕すオノマトペとしては珍しい。

 

この詩は、4連まであるが、「起・承・転・結」の4コママンガのような構成になっている。

2連までは、打たれたり踏まれたりだから、土の身になってみると、つらさがあっても役に立てると言いたいのかな?と思ったりした。

 

だが、3連になると、打たれたり踏まれたりしなければ役に立たない、要らない土なのかと問いかける。

 

そして、4連では、そうでなくても大丈夫だよ、と優しくなぐさめてくれている。

「名のない草のお宿をする」という役の立ち方は、なかなか思いつかない。

 

土を人として、この詩を読んでみると、なんだか癒やされる。

 1連2連では、つらい目にあっても、人の役に立っているよ、後でいいことあるよ、と。

3連4連では、そうでなくても、あなたにはなんらかのいいところがあるんだよ、と。

そんなメッセージを受けることもできるからだ。

 

この詩を思い出しながら、こッつんこッつん、畑の土を耕していた。

良い土になってくれよ。

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