名前の知らない野の花に会えるとうれしくなる。
ただ、生活している場所は同じだし、行動範囲が変わらなければ、なかなか新たな出合いはない。
そのうえ、植物によっては、花が咲く期間が非常に短かったり、その年の気候によって咲く時期がずれたりするから、会えないままになることも多くある。
今回見かけた花も、そんなことがあった花だった。
最初に見かけたのは、3、4年くらい前の秋だっただろうか。
つる性の植物で、黄色い花がいくつか下がるようにして咲いていた。
そのときは、少し調べてみたけれど、名前がわからないままだった。
今回は、該当すると思われるものに行き当たることができた。
その名は、どうやら「ノササゲ」らしいとわかった。
「ノササゲ」…「野ササゲ」か!?
「ササゲ」といえば、子どものころよく聞いた豆の名前だった。
名前を知って、昔食べた思い出がよみがえった。
アズキに似た豆で、赤飯などにも使われたものだった。
アズキほど甘くないのが特徴だったはずだ。
ノササゲは、初めて聞いた名前だったが、なんとも懐かしい気分になった。
そういえば、秋の野草の花で、ヤブツルアズキというのを見つけて、ここに書いたこともあったなあ。
アズキにササゲ。
名前がわかって、懐かしい思いになり、妙に親しみを覚えた「ノササゲ」であった。