先週、埼玉の一番小さい畑ではジャガイモを掘っただけではなく、恒例の(?)除草作業をしっかり行ってきた。
2アール程度の畑だから、そこまで大きな畑ではないけど、除草には時間がかかる。
わずか3週間でよく生えるものだ、と雑草の生命力に、ほとほと感心する。
ただ、さすがに雑草にも旬がある。
先月までは、ホトケノザやタンポポなども咲いていて、雑草だけど花はきれいだなあ、などと思いながら刈っていた。
ところが、今月は、この畑に生える雑草できれいな花は少なかった。
かろうじて、アカバナユウゲショウの赤い花がきれいだと思ったけど。
最もたくさん生えていた雑草は、メヒシバだった。
このメヒシバ、根がしっかり土をかんでいて、簡単に根まで抜けない。
乾燥した土では、引っ張って抜こうとしても、根の少し上からブチッと切れてしまう。
茎が残って、またそこから伸びていく。
生き残るために、たくましさを備えているのだなと、それなりに感心してしまう。
このメヒシバらに負けまいとする人間が私だ。
地面に這うように生えているメヒシバを、丸鎌を使ってゴシゴシとしごくようにして根ごとまるごと刈っていく。
ゴシゴシ、ゴシゴシ、ゴシゴシ、ゴシゴシ、………。
強くなった6月の陽射しを受けながら作業していると、あっという間に息が切れた。
仕方なく小休止する。
少し息を整え、またゴシゴシを連続する。
強い陽射しに、汗も噴き出す。
だけど、これをしなくては、畑が単なる荒れ地になってしまう。
除草剤をまけばいいという人もいるが、除草剤を使うと、畑が畑じゃなくなってしまう気がする。
もともと畑だから、また何か作物を作るときがあるかもしれない。
その作物に、害のある薬剤成分が影響を与えるようでは、いけない。
ゴシゴシ、ゴシゴシ、………。
きつい除草作業だ。
そうやってゴシゴシ作業している私の、道を挟んで反対側の畑でエンジン音がした。
そこの畑はここより広いのだが、同様に雑草がたくさん生えていた。
エンジン音は、その雑草畑にトラクターが1台入って行く音だった。
トラクターが進んでいくと、雑草畑と化していた土地が、あっという間にきれいに整備された土地に変わっていく。
なんて簡単なんだろう。
人が乗って運転するだけで、広い土地がみるみるうちにきれいな畑になっていった。
私は、こうして器具を使って自力で時間をかけてやっているのに、向こうは、ただ乗って動かすだけで、同じ作業があっという間に、しかも楽できれいに終わっていく。
手作業で遅々として進まぬ私の除草とは大違い。
思わず苦笑いした。
昔歴史で習った「産業革命」で機械の使用がいかに画期的な変化をもたらしたのかが、分かるような気がした。
ついでに脳裏には「家内制手工業」「マニュファクチュア」なんて言葉も浮かんできた私であったが、それらの用語の説明の仕方は忘れてしまったなあ…。
そんなことで、落差を見せられて自分のやっていることは、古い時代の住民と同じかと思ったよ。
あっちは現代、こっちは江戸時代か!?。
疲れが出た私も、産業革命にするか、と決断。
あとは機械の使用に踏み切ったのだった。
トラクターの使用はできないけれどね。
…刈払い機見参!
としたのである。