ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

さようなら、YP―10

2024-06-13 20:38:33 | 生き方

長年一緒に過ごした(?)、電子ピアノとお別れした。

ここ10年ほどは、娘のリハビリ用に使っていた。

指を動かすことは、脳の働きを活性化させるのによいという考えからだった。

もともと子どもの頃からピアノを習わせていたので、娘は、それなりに弾くことができた。

病からの回復を図ることに役立ったと言える。

さて、この電子ピアノを買ったのは、子どものためではなかった。

買ったのは、実に43年も前のことだった。

新採用から2年目、夏のボーナスを使って買ったのだった。

私が採用された頃には、採用試験にはピアノの実技がなかったのだ。

それなのに、小学校教員になれたのは、ラッキーなことであった。

だが、いざ現場に立つと、やはりピアノが弾けないというのは、不便きわまりなかった。

代わりにギターを使って、和音で音を出していたけど、正しい音階を出すのにピアノは欠かせなかった。

ピアノを使って授業ができるよう になりたい。

若き私にはその願望が強かった。

真剣に練習しようと思って、当時の1か月分の給料に近い金額を支出して買ったのが、YAMAHAのElectronic piano YP―10であった。

 

買ったときには、それなりに自分で練習もしたのだが、私の音楽指導に疑念を抱いた上司が、音楽の授業から外してくれた。

また、低学年担当のときには、子どもたちは、ピアノよりギターの方がノリがよかったりした。

そんなもんで、この電子ピアノが部屋の飾りになるのに多くの時間はかからなかった。

 

そんなことで、この電子ピアノが本格的に活躍するのは、自分の子どもたちがビアノをならうまでなかった。

そして、娘のリハビリに使われるのが、最も重要な使われ方だった。

私は、結局、その後40年余りこの電子ピアノに触れることはほとんどないまま、定年を迎えてしまった。

 

長い年月がたったために、音の出ない鍵盤があるようになってしまったから、新しい電子ピアノを買った。

金額は、あの43年前に比べて、半分以下!

機能も増えているし、ビックリであった。

 

処分するのが惜しくて、ずっととっておいたけど、終活を考えると、決断せざるをえないと思うようになった。

 

今日は、娘が練習用に使った。

そのあと、数十年ぶりに鍵盤に触れてみた。

低学年担当だった頃の「きらきらぼし」や「チューリップ」は、片手だけだけど弾けた。

「ふじ山」は、何度もつっかえた。

 

もう、子どもたちと歌うこともない。

さようなら、YAMAHAのElectronic piano YP―10。

若い日の夢をありがとう。

 

コメント (2)
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