ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「てっぺん」を目指す厳しさを教わった ~2024第31節ホーム ヴィッセル神戸戦~

2024-09-23 21:44:43 | アルビレックス新潟

「悔しいけれど、勝利おめでとうございます。」

試合後、スタジアムから出てきた神戸サポーターと鉢合わせて、そう言葉をかけた。

「いやあ、苦しかったです。新潟がこんなに強いとは思っていませんでした。」

…という答えが返ってきた。

 

そう。

この試合は、新潟が強いことを示したが、同時にまだ勝ち切れるほど強いチームとなっていないことを示す試合となってしまった。

 

試合が始まると、前年王者の神戸は、予想通り強く当たってきた。

だけど、前の試合で名古屋に同様の攻められ方をして失点した新潟は、同じ轍を踏まぬよう、しっかり対応しているのが見て取れた。

下手なファウルをしないで技術で上回ろうとする神戸の選手たち。

そこに負けまいと厳しく迫る新潟の選手たち。

丁々発止のせめぎ合いは、見応えがあった。

こういう試合こそが、プロ同士の戦いだ。

どんな形でもやり方でもいいから点を取った方が勝ちだ、というどっかのつまらん精神のサッカーとは違っていた。

この試合、7月の広島戦のような、競ったいい試合になるぞ。

そんなことを思った。

 

神戸の鋭い攻撃に、どうか最初の15分は、持ちこたえてくれ、と願った。

だが、名古屋戦同様に、その時間が過ぎようとするころ、失点してしまった。

新潟で育った酒井高徳が、的確にゴール前にボールを上げると、飛び込んだ神戸の選手は触れることができなかったが、ボールはそのままゴールに吸い込まれて行ってしまった。

0-1。この試合も先制を許してしまった。

 

だけど、名古屋戦と違うのは、ホームで戦う選手たちの気迫。

少しも気を落とさずに、挽回を期す。

しばらくは、新潟がボールを支配するようになった。

すると、前半31分、谷口からクロスが上がると、長倉がゴール前からヘディングでゴールを決めた。

同点だ。

 

これで波に乗った感じの新潟。

どの選手も、攻守にわたって動きがいい。

前から追う小野。

相手GKの隙をねらって猛烈なダッシュをかける長倉。

酒井高徳とのマッチアップをものともせず、対等以上にわたり合う谷口。

プレッシャーをかけ、ボールを奪取しようとする宮本。

守勢になっても、自由にボールを回させないように細かく圧をかける高木。

ここに行ったら危ないというところを予知して、危機管理がしっかりしている藤原。

大迫や武藤といった元日本代表を相手にしても、まったく怖気づかず自由にさせない舞行龍。

つくづく感心して試合を見守った。

いい試合だ。

 

そのいい試合をさらにすばらしく見せたのは、橋本だった。

びゅんびゅん縦パスを通すし、自らもよく動く。

36分、そんな橋本が左から、針の穴を通すような鋭いグラウンダーのパスが斜めにゴール前に入る。

そこに小野が走り込み、しっかりポストに当ててゴールに蹴り込んだ。

新潟逆転。2-1。

まさか前半のうちに逆転できるとは思わなかった。

前半は、そのまま終わった。

 

だけど、試合巧者で優勝を争っている神戸がこのまま引き下がるわけがない。

控えメンバーにも嫌な選手たちがたくさん残っている。

アルビにもいい選手はベンチに残っているが、その選手たちが、今互角に戦っている選手たちと同様な動きができるだろうか?

後半も、チャンスを作るがゴールを割れずに、互角の展開が続く中、実はそんな不安もちょっぴり抱いていた。

いや。アルビの選手たちを信じよう。

リキさん(松橋監督)も言っていたじゃないか、「全員が戦力だ」と。

 

試合も後半は互角の展開で進んだが、その中盤を迎えた71分、その不安が現実になり始めた。

相手のFW陣に仕事をさせなかった舞行龍が、脚を痛めてデンと交代。

高木も、久々の出場の奥村仁と交代した。

その2分後、半端ない大迫から武藤へ半端ないパスが通され、同点ゴールを決められてしまった。

高木や舞行龍が守っていたなら、どうだったのだろう…?

しかし、そんなタラレバを言っても仕方がないから、とりあえず3点目をと願う。

 

神戸は、汰木や菊池といったよく聞く選手が出てきて、ますます圧力が強くなった。

新潟も小野に代わって鈴木、谷口に代わって長谷川元希を入れた。

新潟も攻めはしたが、最後が決まらない。

試合が最終盤に近づくと、明らかに神戸の選手たちの動きが力強さを増した。

「絶対勝つ」という気迫が見られるようになった。

だが、新潟も必死に守り、アディショナルタイム。

相手のゴール前での猛攻も必死でこらえ、バーも味方しなんとか失点を防いでいた。

ただ、最後にその強烈な攻撃を避けるように、ゴールラインの向こう側にクリアしてしまったのを見て、不安は最大に達した。

もう時間は切れている。

だから、このコーナーキックをしのげば、とりあえず引き分けだ。

しのげ。クリアしろ。

心の中での叫びもむなしく、的確にゴール前に上がったボールに、新潟の選手たちはせることができなかった。

高く飛び上がった神戸の選手のヘディングが、実に鮮やかに決まった。

2-3、逆転。

もう時間はないはず。

案の定、中央に置かれたボールは、1人目が触れた途端、試合終了の笛が吹かれてしまった。

崩れ落ちる新潟の選手たち…。

傍目に見れば、見ごたえのある、すごくいい試合だった。

面白かったはずだ。

だけど、新潟を応援する身にとっては、痛恨の負け試合であった。

勝っていたのに、…。

ブーイングを飛ばすサポもいた。

 

でもさ、これが今の実力の差というものなのだろう。

たしかに、神戸サポの言葉じゃないけど「新潟強かった」でしょ。

だけど、勝ち切るまではいかないのが、今の実力。

そして、神戸との経験値の差。

どれだけ悔しい思いをしたか。

勝つためにどうしなくてはいけないか。

そういうことを骨の髄まで知らなくては、勝ちを積み重ねるまではいかないということなのだ。

かつてノムさん(野球の野村監督)は言っていた。

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」と。

負けた原因を客観的にそして愚直に見つめ直し、次への勝利につなげてほしい。

今回は、昨季のリーグ戦王者、そして今季も激しい優勝争いを繰り広げているヴィッセル神戸が、勝利への厳しさを教えてくれた、と思うほかはない。

アルビレックス新潟だって、今季は「てっぺん」を目指している。

リーグ戦とは違うが、ルヴァン杯を手にして、その「てっぺん」に昇りつめてみたい。

その険しい道のりを、今節の試合を教訓にして、切り開いて突き進んでいってほしいと願う。

 

Visca Albirex !!!

 

 

…とはいうものの、昨夜はアルビの逆転負け、今日は天王山での阪神の負け、と2日続けて応援するチームが大一番を落とすのを見たのは、こたえるなあ…。

コメント (2)
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