【今年の長岡花火のポスター】
長岡の大花火が、3年ぶりに行われた。
新潟県にいながら、会場近くまで行って見たことがない私。
今年も行くことはなかったが、NHKのBSプレミアムの生中継でその一端にふれることができた。
以前も、中継を見たことはあったが、今年は心への響き方が違っていた。
NHKのゲストで来ていた平原綾香が、自身の歌唱曲「ジュピター」が入った「フェニックス大花火」を見て涙していたが、その気持ちが分かるような気がした。
長岡の大花火は、ただ単に美しい花火大会というわけではない。
花火の始まりの際には、大戦の鎮魂を願っての「白菊」が打ち上げられる。
そして、「フェニックス」には、中越地震からの復興の願いがこもっている。
あんなに美しい花火が、あんなにたくさん次々に打ち上げられる。
見事と言うしかない。
すばらしい芸術だと思う。
わずか数秒しか持たない、はかない光の芸術。
あれだけの花火を作るのに、いったい何人ぐらいの人がかかわっているのだろう。
いったいどれだけの時間をかけているのだろう。
平原綾香が、「花火の音は、胸、背中、腹に響く」と言っていた。
いろいろ抱えていた胸がすっとする。
背中を押され、勇気が出る。
お腹に響いておなかがすく。
…とか。
なかなか言い得ている。
うなずいてしまった。
もっとも、3つ目の腹の件は、「腹がすく」のではなく、決意の意味で「腹がすわる」の方がいいと思うのだが。
それはともかくとして、同じ火薬でも戦争に使われるのと花火大会に使われるのでは、まったく違う。
今のご時世では、そんなことを考えざるを得ない。
人を傷つけたり殺したりするために使うのではなく、こうして人の心を癒したり元気づけたりするために使われるものであってほしい。
花火の中継を見ながら、そんなことを強く思った。
【2020年の長岡花火のポスター】
COVID-19感染症の拡大のために、2年続けて中止されていた長岡大花火。
たくさんの人に、様々な思いを抱かせてくれたことと思う。
かたい決意で実行してくれた人たちに、心から感謝したいと思う。