今日は、都大路を走る都道府県対抗女子駅伝が行われた。
去年は28位と、久々の20位台でゴールと健闘した新潟県女子チーム。
今年も2年連続の20位台を目指す、との目標だった。
そうはいっても、去年のチームには小海遥選手がいて彼女が第1区区間賞の走りがあったからこその20位台だった。
今年、残念ながら小海選手は、新潟県チームからの出場ではない。
宮城県チームの選手としての出場だった。
絶対的なエースを欠いて、新潟県の20位台は難しいのではないかと予想された。
ただ、東日本女子駅伝で新潟県チームは、10年ぶりの8位入賞を果たしている。
3000メートルで新潟県高校記録を持つ高2の橋本和叶選手(新潟明訓高)が1区を走る。
彼女は、暮れの全国高校駅伝でも1区7位と好走したから、スタート次第で目標の順位に手が届くかもしれない、と期待した。
スタートの号砲が鳴ると、橋本選手は積極的に前の方でレースを展開した。
だが、有力選手が多い1区の後半はずるずると下がらざるを得なかった。
粘ったがトップと1分12秒差の26位。
これは、積極的に行った結果だから、仕方がない。
それでも、2区の村山愛美沙選手が踏ん張って区間20位で、順位も20位に上げた。
3区の中学生田中優奈選手も区間20位と好走し、順位は21位。
4区の社会人は区間23位で、順位は22位と粘った。
5区の大学生は区間40位となり、順位は5つ落として27位。
6区の高校生寺木みのり選手が区間20位で、順位を3つ上げ24位。
7区の高校生は区間27位ながら、チームの順位は1つ上げて23位。
8区の中学生が区間37位となり、チーム順位は3つ落として26位となって、9区の社会人ランナーに最終の10㎞を託した。
この時点で、30位のチームとは1分11秒との差があったので、大丈夫かなと思いつつ、最終区間は各県つわものぞろいだから、後ろから抜いて行くランナーが何人いても不思議ではない。
はたしてどうなるか………と思いつつ、特設サイトの速報に目を凝らすと、新潟は中間地点で28位に落ちていて、残り1㎞の地点では29位となっていた。
残り1㎞での差は16秒しかなく、最後までハラハラしながらテレビを見ていたが、なんとか29位のままゴール。
30位の和歌山より10秒早く、新潟県チームは「20位台」の目標を達成することができた。
地震で被災した北陸4県の戦績はさすがに芳しくなかったが、新潟はその中では最上位であった。
1区で石川県の五島莉乃選手が見事に区間賞を獲得する走りを見せたことには、思わずうなった。
被災した地元を勇気付けよう、元気付けようという強い意志を感じる力走だった。
そして、大会は宮城県の29年ぶり2度目の優勝となった。
その立役者となったのは、やっぱり小海遥選手だった。
小海選手は、新潟県の妙高市出身。
妙高市の中学校を卒業後、駅伝の名門校仙台育英高校に進学し、全国高校女子駅伝にも出場した。
2年生のときには、1区で区間賞を取り、仙台育英高の優勝に貢献するなど順調に力を伸ばした。
去年は、都道府県対抗女子駅伝の1区区間賞だけでなく、10000mで夏にはアジア陸上選手権金メダル、12月の日本陸上選手権では3位と、着実に実力を付けている。
今回は、「大変お世話になったので」ということで、高校時代に在籍した仙台育英のある宮城県からの出場だった。
小海選手は、9秒差の2位でタスキを受け取ると、3kmですでに1位兵庫のランナーに追いついた。
だが、追いついてから並走することを選び、1.5㎞ほど走った。
その間に2位に上がった京都のランナーが6秒差まで迫ってきていた。
中間点では、小海選手の区間順位は16位と速くはなかった。
だが、小海選手は、これなら大丈夫だと安心して走れるところまで待っていたらしく、残り5㎞となるあたりでスパートをかけた。
後半スピードを上げると、残り1㎞で区間4位に上がり、ゴール地点では2位京都に20秒の差をつけ、区間順位も2位まで上げていた。
この状況に応じた、勝つためのクレバーな走りもできること、後半になるほど強いことなどに、オリンピック・イヤーである今年の彼女の活躍が期待できそうな気がした。
同じ時間に行われていた、サッカー皇后杯でアルビレックス新潟レディースは、INac神戸に0-2で敗れてしまい、残念だった。
快勝を期待していたのだが…。
でも、それを補ってくれるような、駅伝での新潟県チームの健闘と小海選手の快走だった。