ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

アドベンチャーレースを舞台に展開するサスペンス ~「ランニング・ワイルド」(堂場瞬一著;小学館)~

2024-02-09 19:33:46 | 読む

NHK-BSの番組「グレートトラバース」で、日本百名山・二百名山・三百名山を人力のみで登頂を果たした田中陽希氏。

毎回の番組で、彼の紹介を「プロアドベンチャーレーサー」としていたが、そういう肩書を持つ人は少ないだろうと思う。

そもそも、アドベンチャーレースは、大自然の中を、個人や数名でチームを組み、数日かけてチェックポイントを通過しながらゴールを目指して順位を競争するスポーツ。

プロアドベンチャーレーサーを名乗る田中陽希氏は、「EAST WIND」というアドベンチャーレースのチームに所属して、日本や世界のレースに出場している。

 

さて、駅伝やマラソンなど、長距離走を扱った小説は多いが、アドベンチャーレースを扱ったものは、あまり見ない。

珍しく見かけたのが、堂場瞬一が書いた、この「ランニング・ワイルド」。

堂場瞬一の作品は、以前、刑事物の「コーチ」を読んだが、やはりスポーツ物も得意なようだ。

書名は「ランニングワイルド」だが、中身は「ランニング」だけではなかった。

 

本の帯の表紙側には、

タイムリミットは24時間。

最も過酷な「アドベンチャーレース」に参加した機動隊員が、家族を人質に脅迫された。妻子を救い、犯人を追い詰めて、そしてレースに勝利できるのか?

とあった。

そして、帯の裏表紙側には、

人間が経験できる、もっとも過酷なスポーツと言われるアドベンチャーレースは、超長距離を走り、泳ぎ、バイクやカヤックなど様々な手段で移動しながらチェックポイントを通過していく競技だ。瀬戸内海のとびしま海道で行われるアドベンチャーレースの大会に、警視庁に勤務する4人のチームPも参加した。スタート直前、キャップの和倉賢治のもとに、「家族を預かった。無事に返してほしければ、レース中にあるものを回収しろという脅迫が…。果たして和倉たちは一刻も早くゴールし、妻子を解放して、事件を解決できるのか。

と書いてあった。

 

アドベンチャーレースを扱うだけでも面白いと思う。

なのに、そのレースにかかわって人質事件が起こる。

ハードなレースを展開しながら、どうやって解決にもっていくのだろう?

興味がわき、読んでみたくなった。

 

私としては、非常に面白かった。

アドベンチャーレースは、チーム戦である。

世界で展開されている大会などでも、メンバーに女性を入れることが条件になっているものも多い。

この小説のレースでも、4人のうち1人は女性で構成されている。

そして、この小説の設定が、いかにもありそうなレースの大会であった。

レースの冠名には「中村春吉記念」と実在した人物名がうたわれ、設定された場所はとびしま海道の島々になっており、著者の取材力、構想力はすごいよく考えられてあるなあ、と感心した。

出てくる風景の描写が非常に細かい。

坂道がどのくらい急なのかとか、カーブの連続が続くとか、道路についてはもちろん、通り過ぎる集落や見える風景の様子などが、非常に細かく書かれている。

これは、実際にその場所を巡らないと書けないだろう、と思う。

あとでわかったが、著者は、この話を書くに当たって、田中陽希氏も所属する「EASTWIND」代表の田中正人氏から話を聞き、示唆を受けたとのこと。

そうだよなあ、それにしても、レースの様子がよく書けているなあと、感心。

走る場面にしても、カヤックの場面も、バイクの場面も、いかにも選手がレースの厳しさを味わいそうな、真に迫るものがあった。

 

そして、著者の描写の細かさは、登場人物のくどいくらいの心理描写にも表れている。

この小説では、主人公の和倉の心の動きだけでなく、メンバー唯一の女性である安奈の心理も描き出している。

面白いことに、いらいらする犯人の心の細かい動きもつぶさに描き出している。

登場人物の喜怒哀楽が、読み手によく伝わって来る。

そのように、複数の登場人物の心の中に入り込んで文章が語られているから、心理状況がよく分かり、より臨場感が出てくる効果を生んでいた。

 

アドベンチャーレースの推移を読むだけでも十分に楽しめるところに、人質事件の解決というサスペンスまで加えていたが、そこがスポーツ小説も刑事小説も得意な著者ならではのところだろう。

両方を合わせるというのは少し異質ながら、私には、どちらもハラハラドキドキして、非常に楽しめる小説だった。

 

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シリーズ3作目、「タスキメシ 五輪」(額賀澪著;小学館)を読んで

2024-02-08 17:30:40 | 読む

「タスキメシ」シリーズは、3作目。

 

「タスキメシ」(額賀澪著;小学館)を読む - ON  MY  WAY

数か月前に読んだ「競歩王」が面白かったので、作者の額賀澪さんがスポーツ青春小説を得意にしているのではないかと思った。そう思って、調べてみたら、「タスキメシ」とい...

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「タスキメシ 箱根」(額賀澪著;小学館)を読む - ON  MY  WAY

書名の後ろに、「箱根」とあるように、「タスキメシ」の続編。主人公は、前編と同じく眞家早馬。前編「タスキメシ」でも、箱根駅伝の場面が入る話ではあった。しかし、主人...

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このシリーズは、物語の登場人物が、話の続きをどう「タスキ渡し」していくのかも気になるところ。

 

この「タスキメシ 五輪」は、前半の「祈る者」と後半の「選ぶ者」に分かれている。

前半の中心舞台は、東京五輪の選手村食堂である。

中心人物は、2作目で箱根駅伝を最終10区で走った仙波千早。

「努力は裏切る。

ここぞってところで裏切る。」

と暗示されたように、走ることでは裏切られた(?)経験をして大学を卒業した彼が奮闘する。

 

競技ランナーを終えた彼が就職した先は、食品会社。

その会社から東京五輪選手村食堂に派遣され、仕事で活躍する様子が描かれている。

そこでは、第1作「タスキメシ」第2作「タスキメシ箱根」で中心人物となっていた、眞家早馬はあまり出て来ない。

大学時代にコーチだった早馬の高校時代の同級生、都は、感染症禍の影響を受けたことから、飲食店関係の仕事を求め、選手村の食堂に勤めて選手たちに食事を提供した。

千早と都は、選手村の仕事仲間、ということになるのだが、そこで経験する内容が、東京五輪での実話に基づいているので、ああそうだったなあ、と思い起こすことが多かった。

例えば、最初は、本当に東京五輪が開催されるのか、という疑念を抱きながら仕事をしているが、それを示すように、世間の人々には五輪の開催を反対する人も多くいたことが表現されている。

が、各国の選手団が入村していくと、仕事が忙しくなり、五輪を開催しないということはありえないと思うようになっていった。

そんな当時の雰囲気の移り変わりがあったなあと今になって思うのである。

 

また、選手村の食堂に関しては、ラーメンが人気になった。

そして当時、餃子がうまいと選手間で評判になったことがあった。

実は、それは冷凍食品であったというこぼれ話もあった。

 

選手とのエピソードでは、外国人選手が乗るバスを間違えてしまったが、ボランティアの機転で競技の開始に間に合った、という話があった。

 

そんな空気感や、実際にあったエピソードの数々を、ストーリーの展開に組み込んで、登場人物たちを活躍させるなんて、著者は、なかなかうまいはめ方をしたものだと感心した。

ストーリーに転用するためには、五輪当時や終了後に、たくさんの人たちに取材したのだろうなあ、と著者の苦労のあとが感じられた。

 

そんな苦労体験をたくさんしながら、前半の部の主人公の千早は、駅伝では「努力に裏切られた」が、「裏切られた後の景色も悪くない。裏切られた俺は、今、頑張ってます」と、早馬に言えるくらいまで成長していく。

この、「裏切られた後の景色も悪くない」というのがいいなあ。

人生、こうでなければ不幸だというものではないのだ。

自分の受け取り方、考え方で、変われるものなのだ。

この千早の成長が、読む方としてはうれしくなる。

 

さて、後半では、早馬の弟春馬が主人公となる。

パリ五輪を目指すランナーとしての彼の奮闘ぶりが描かれていく。

去年あったオレゴンの世界陸上やニューイヤーマラソンなども取り上げているので、実際にあったように感じ、臨場感が高まる。

ここでは、春馬や大学時代に彼とライバルの関係にあった選手たちの挫折感も描かれている。

今作のストーリーは、まだMGCまでいかずに終わってはいるので、光を当てる中心人物を他の登場人物に代えて、さらに続刊が出てくるのじゃないかな、なんて思っている。

 

ところで、現実の世界では、岸本大紀選手が、先日の別大毎日マラソンで初マラソンながら3位と健闘した。

彼は、中学生でも高校生でも新潟県代表に選ばれ、都道府県対抗駅伝などに出場して活躍していた。

青学大でも1年生時から好走して活躍し、昨春卒業して社会人となったが、順調に成長し結果を残していることが頼もしい。

登場人物を追いかけて展開される「タスキメシ」の話のように(?)、今後も彼の活躍ぶりを追いかけていきたいと思っている。

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アルビレックス新潟、カターレ富山との練習試合で快勝!

2024-02-07 20:24:23 | アルビレックス新潟

アルビレックス新潟は、高知キャンプで初の練習試合。

相手は、J3のカターレ富山。

J3ではあるが、昨季最後までJ2昇格争いをしたチームであり、昨年の天皇杯では、延長戦まで行ったチーム。

あのときは、延長前半までやって雷雨で後日延長後半から再試合となったが、1点差で辛勝したという相手だった。

シーズンは変わったが、どんな試合になるか、気になる相手ではあった。

結果は、無失点の3-0。

ただ、これがカターレ富山の発表では、Xでもホームページでも、0-4ということになっていた。なぜ???

その後、富山のホームページでは訂正されていたので、やはり0-3というスコアだったようだ。

ともかく、快勝で、今季の練習試合4連勝ということになった。

対戦相手は格下が多いとはいえ、いいですなあ。

 

試合は、30分×3本で行われたとのこと。

だが、モバアルZの映像を見ると、メンバーは、2本目の途中で全取っ替したようだ。

(以下の顔ぶれ、違っていたらゴメンナサイ)

【1本目~2本目前半】

   小島(阿部) 

舞行龍 早川 藤原 新井

   秋山 島田 

ダニーロ 高木 元希 

     鈴木

 

【2本目後半~3本目】

   吉満(西村)

森 遠藤 千葉 堀米

   星 宮本

松田  石山 小見

    谷口

よくわからないが、こんな構成で試合をしたようだ。

 

得点者は、鈴木、谷口というFW陣。

得点の仕方も、1点目はフリーキックから舞行龍→鈴木と渡ったもの。

2点目3点目は最後は谷口だが、2点目は右の松田から、3点目は左の小見からゴール前に渡ったものをしっかり決めたもの。

点を取ることが期待されている人が、ちゃんとフィニッシュを決めたというのはいいですな。

 

ただ、レギュラー級と言える存在の、小野、太田、長倉の姿が見えなかったような気がした。

ちょっとキャンプの疲れがたまり気味なのかな?

まさかケガ?

ま、あまり深く考えないでおこう。

 

高知キャンプに入って1週間。

チームの状態は、攻守ともに、順調に来ているようで、なによりだ。

さらに突き詰めて強くなっていきましょう。

 

Visca Albirex!!!

 

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「大雪のあとで」という古井戸の歌を思い出す

2024-02-06 20:46:17 | うた

昨日から今日にかけて、関東方面での「大雪」のニュースがかけめぐった。

各局とも、いかに雪の影響が大きいかということを映像で見せていた。

 

東京で大雪、というニュースを聞くと、学生時代に聴いた曲で思い出すものがある。

1つは、「22歳の別れ」などのヒット曲があった「風」の曲。

伊勢正三が作詞・作曲した「そんな暮らしの中で」という曲の中の一節だ。

2センチ足らずの雪が

科学の街 東京を

一日でぬりかえる

その変わらぬ雪の色に

人は何を思うのだろう

変わりゆくこの日々に

 

寒さの中に

かくれているのは

暖かさなのだから

 

2センチ足らずの雪が 科学の街 東京を 一日でぬりかえる

というところに、雪になれていない人たちのバタバタする姿を感じたものだ。

実際に目の前で見ていて、新潟県人としては、この程度の雪であわてるなよ、こっけいじゃないか、と思ったものだった。

 

2つ目の曲は、古井戸の「大雪のあとで」という曲。

自分が初めて聴いたのは、エレックレコードから出ていた「第1回唄の市」というアルバムの中に入っていた曲だ。

まだ古井戸は、デビュー前だったらしいが、ここにはステージで歌った曲が2曲収録されている。

1曲目が「花言葉」という曲で、2曲目が「大雪のあとで」という曲になる。

ステージでは、「花言葉」を歌った後、詩の朗読があるのだ。

何という詩かはわからないが、加奈崎芳太郎が「花言葉」を歌った後、「大雪のあとで」に入る前に、仲井戸麗市が詩を朗読する。

これがまた、とてもよかったのだ。

若い頃、初めて聴いて、ジーンとしてしまった。

 

誰かさんとの一年間

百貨店の包装紙に走り書き

「アルゼンチン大使館前 午前6時30分 待合せ」

 

3時間半の待ちぼうけ

一方通行の分厚い手紙 30通

便りのないのは よい便り

でも 頼りないのは僕だったね

 

横須賀線 片道230円の切符を買って

北鎌倉駅下車 由比ガ浜で貝拾い

逗子までとぼとぼ歩き いつの間にか雪になる

 

手袋のない手で 精一杯の粉雪かき集め

ひと言ふた言ひとり言

 

30男に唾を吐き 40男に唾を吐き

大金持ち気取りの50男を横目で流し

二十歳でため息まじりのつぶやきひとつ

 

「私とあなたはこれからもお友達でいようよ」

 冗談じゃねえよ

 

誰かさんとの一年間

百貨店の包装紙に走り書き

 

一週間我慢して 我慢しきれなくなった8日目の朝

408-7937へ 408-7937へ

居留守 居留守

 

「アルゼンチン大使館前 午前6時30分 待合せ」

 

10本100円で摘んできた人工お花畑の花束抱えて

あさって君に会えますか

あさって君に会えますか

 

会ってさよならが言えますか

 

 

詩の後ろでに流れる「さよなら さよなら」のくり返しが切なさをつのらせていき、ギターのソロが寂しく響く。

そして、2曲目の「大雪のあとで」が始まる。

十年ぶりの大雪が積もって

僕の体はすっぽりと埋もれた

アルバムでは、感動的な2曲が終わると、万雷の拍手が起こっていたのが収録されていた。

 

東京方面が「大雪」と聞くと、今でもこの古井戸の曲を思い出してしまう。

ちょっと検索してみたら、YOUTUBEでこの曲がアップされているのを知った。

あまりいい録音状態とは言えないが、関心のある人は、「花言葉」、詩の朗読、「大雪のあとで」ひっくるめて聴いてほしいな。

 

私は、レコードで持っていたのだが、10年余り前、ブックオフでCD化された「唄の市」が安売りされていたのを見かけて、思わずこれも購入してしまった。

 

さて、大雪のあとで、実際に怖いのは冷え込んで路上にとけた雪が凍って滑ることだ。

どうか、そちら方面の皆様、お気をつけくださいね。

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卓球女子、パリ五輪第3代表の選手決定

2024-02-05 19:18:42 | スポーツ

様々なスポーツやいろいろな種目でパリオリンピックの代表になった、とか決まった、というニュースが流れるようになってきた。

今日、卓球も、その発表があった。

ただし、日本チームがパリ五輪出場権を得た場合の代表選手という形だが。

 

卓球の女子は、ポイントランキング2位までに入った、早田ひな、平野美宇は、団体戦のほか、個人戦シングルスに出場できると内定が出ていた。

あとは、団体戦に出場できるもう1人、第3代表の選手が誰になるかが注目されていた。

全日本選手権の結果を受けて、最終ポイントと順位は、

3位 伊藤美誠    471.5ポイント

4位 張本美和    430.5ポイント

となっていた。

だが、日本卓球協会が選出したのは、ポイント3位の伊藤美誠ではなく、4位の張本美和であった。

 

伊藤美誠は、3年前の東京五輪では、出た種目すべてでメダルを獲得した。

女子団体では、石川佳純、平野美宇と共に、銀メダル。

女子シングルスでは、銅メダル。

混合ダブルスは、水谷隼と組んで、中国ペアを破って金メダル。

華々しい活躍を見せた。

だから、実績は十分なのだが、ここ1年ほどは故障やポイントランキングに基づく試合数の増加などで、戦績が振るわなかった。

 

それに対して、張本美和は15歳ながら、めきめきと実力をつけてきた。

海外に出ても結果を残すことが多くなった。

世界チャンピオン孫穎莎を追い詰めた試合もあった(最もその後の再戦では0点で抑えられたゲームがあったが)。

なにより、先の全日本選手権大会では、他者を圧倒する安定した試合運びを見せて現在の強さをいかんなく発揮し、準優勝という結果を出していた。

彼女を止められたのは、優勝した早田ひなだけだった。

 

だから、現時点では、強さだけでいうと、早田に次ぐ2番目の実力だと評価できる。

伊藤美誠の過去の実績と、伸び盛りで安定した強さをもつ張本美和を現状で比較すると、伊藤美誠に対する同情心はあるが、強い者、勝てそうな者を選ぶという常識からして、仕方のないことだろうと思う。

今15歳だがものすごい勢いで強くなっている張本には、五輪という大舞台の経験を積むことによって、さらなる進化成長が期待できるということもある。

選ばれたからには、日本の勝利に貢献する働きを見せてほしい。

だが、伊藤美誠だって、早田、平野同様にまだ23歳。

体調を整え、その先の五輪目指して再び異論の余地のない強さを身につけられるよう、捲土重来を期してほしい。

一卓球ファンとして、そう願わずにいられない。

 

さて、そうは言いながらも、パリ五輪の団体戦出場枠を、日本はまだ獲得できていない。

この獲得のラストチャンスが、2月16日から25日にかけ韓国・釜山で開催される、世界卓球選手権2024釜山大会だ。

世界卓球は、団体戦を行う年と個人戦(男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルス)を行う年とに分かれ、交互に開催される。

今年の世界卓球は、団体戦が行われる番で、ここで勝ち上がってベスト8に入れば、日本は五輪の参加枠を得ることができる。

その団体戦には、すでに張本も伊藤も選出されている。

誰が出ても、力を合わせて、出場枠を獲得してほしい。

本来の力を発揮できれば、男子も女子も、それは高い確率でそれはできるはずなのだから。

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豊かな発想、共感できる感覚 ~「思わず考えちゃう」(ヨシタケシンスケ著;新潮社)を読んで~

2024-02-04 19:52:30 | 読む

去年、新潟の美術館で気になる名前の展覧会をやっているというCMを、テレビで何度も見た。

その催しの名は、「ヨシタケシンスケ展かもしれない」という。

「…展」でなく、後ろについている「かもしれない」というのが気になった。

普通は、そんなことは言わない。

 

ヨシタケシンスケの代表的な絵本に、「りんごかもしれない」というのがある。

その本について、出版社(ブロンズ新社)からの内容紹介(あらすじ)には、こうある。

テーブルの上にりんごがおいてあった。 ......でも、......もしかしたら、これはりんごじゃないかもしれない。もしかしたら、大きなサクランボのいちぶかもしれないし、心があるのかもしれない。実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない...... 「かんがえる」ことを果てしなく楽しめる、発想絵本。

ここからすると、きっと、そんなふうに発想力の豊かな人だから、面白い命名の展覧会なのだろうな、と思った。

だけど、わざわざ出かけて見てみようとは思わなかったので行かずじまいだった。

 

このたび、そのヨシタケシンスケの本が目に入り、気になってとってみた。

それが、「思わず考えちゃう」という本。

彼はスケジュール帳の後半部分をメモ帳として使っていて、そこにあったこととかなかったこととか「思わず考えちゃったこと」とかを描きとめるクセ、というか習慣があるのだそうだ。

この本は、そうやってヨシタケシンスケが思わず気になったことをスケッチした絵がもとになっている。

そこに、思ったことや考えたことを書き加えて、短いエッセーとなったものが集まった本である。

 

その内容が、私には、なかなかよかった。

彼なりの独自の感性には、共感できるところがある。

彼が感じる迷いや惑いの感覚は、私もよく味わってきたことだった。

自信をもって断言したり行動したりする人ではないから感じることだなあ、と自分と似ているところを見つけてうれしくなってしまう。

 

たとえば、子どもとの関係でこういうこと。

あるよなあ。

子どもとかかわれるのは、今しかないと分かっているのに、心に余裕がないとそれができないってこと。

 

そして、言葉はなくていい。

昔の自分が感じていた孤独感を考えると、「分かっているよ」「いつでも味方だよ」との思いで寄り添ってあげたいと思う。

そういう人がそばにいるだけで、十分癒やされたはずなのだ。

 

次のことなどは、素晴らしい感覚だ。

何か自分がやりたいことがあって、それができないっていうことは、大した悩みじゃないんですよ、多分。

自分は自分でどうにかできるし、自分で目標は設定し直せる。

そうではなくて、自分のそばにいる人に、できてほしいことができないってときに、どう一緒にやっていくかっていうのが、実は一番難しい。

人の悩みとは、つまりそういうことなのではなかろうか。

うーん、深いなあ。

 

もう一つ、「幸せとは」。

何かが決まっていない状態は、不安がつきまとうという。

で、僕にとって若さっていうのがそういう状態だったんですよね。

若いと、あれもできるし、これもできるし、今からあれになろうと思えば、まあできなくもないしって、選択肢がものすごくたくさんあるときって、逆に、もう何か不幸なんですよね。どうすりゃいいんだよって。

そうか、若さゆえの不安、不幸感はそこから感じたものでもあったのかも、なんて思ったよ。

 

まあ、全ページ深刻にならなくても気楽にあっさり読めるし、この感性いいなあ、と思った本だった。

 

さて、前述の「ヨシタケシンスケ展かもしれない」は、後で調べてみたら、2年前の2022年4月の東京を皮切りに、全国を巡っている。

新潟は7か所目の開催で、今は9か所目の静岡で開かれているが、今後は長野、神奈川、岡山でも開催される予定だとのこと。

新潟で、やっぱり見ておけばよかったかな、なんて思ったりもしたのであった…。

 

 

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アルビレックス新潟、高知へ2次キャンプに出発

2024-02-03 20:43:13 | アルビレックス新潟

今日の夕方、アルビレックス新潟が、第2次キャンプに出発したというニュースが民放2局(NST,BSN)で流されていた。

今朝、7時過ぎに新潟空港に集まった選手たちの映像が映し出されていた。

今までだと、主将の堀米選手へのインタビューが放送されるものだった。

だが、今回は、珍しく2局とも、新井選手へのインタビューだった。

新井選手は、今年副主将の一人となった(もう一人は秋山選手)から、注目度が高いらしい。

堂々とした態度で、

「今年はタイトルをとるという、チームとしての大きな目標がある中で、開幕からスタートダッシュできるような、そういう部分を高知キャンプで作っていきたい」

と語っていた。

さすが、副キャプテン。

うーん、頼もしい。

もう1局の放送では、若手の小見選手のコメントも紹介されていた。

「1次キャンプで新しく加わった選手の特徴というのをなんとなく理解できてきたので、そこのコミュニケーション、コンビネーションというところを高めていきたいと思います」

さすが、高卒後入団してから3年が経過し、4年目ともなると話す内容が違う。

自分ががんばるということよりも、チーム全体に目を向けての発言だった。

その話す内容が、ほかのチームメートがよく口にすることとまったく同じ。

つまりは、そのようにみんなの意思が統一されているということだ。

2次キャンプでは、そうやってチームとしての戦い方をすり合わせ、去年以上に強いチームになろう、優勝を目指すチームになろうという、選手たちの意欲が感じられた。

オーストラリアも韓国に敗れてしまったから、その代表に招集されていたトーマス・デン選手も早晩高知に合流することだろう。

高知キャンプは、16日まで。

そして、その翌週24日には、アウェイの鳥栖で、開幕戦を迎えることになる。

そこまで、もう3週間しかなくなった。

そんな思いになる。

第2次高知キャンプ。

けがのないようにコンディションを整え、チーム力を高めていってほしいなあ。

 

Visca Albirex !!!

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まぎらわしくて、勘違い

2024-02-02 22:47:01 | 草木花

一昨日、天気がよかったし、腰も大丈夫かな?と思い、走ってみた。

久しぶりに走ってみると、気持ちがいい。

だが、その気持ちいいのをダウンさせるのは、道の端の方に落とされた茶色い異物。

雪の降るときに、ワンちゃんたちを散歩に連れ出したときに、やっちゃったものだろう。

その時は、雪に隠されて目立たなくてよかったかもしれないが、雪がとけて、露骨に見えるようになったというわけだ。

ワンちゃんが、粗相をしてしまうのは仕方がないかもしれないが、その後始末をしないマナーを守らないご主人が一番の問題だ。

多くの人たちが迷惑してしまう。

困ったものだ。

 

そんなことを思いながら走っていたら、またぱらぱらと見かけた。

またか、と思っていやな顔をして通り過ぎようとしたのだが、あれ!?

これって、少し様子が違うぞ。

これは、ワンちゃんのものじゃない。

これは、松ぼっくりのような木の実じゃないか!!?

 

上を見てみると、それはこんな木だった。

これって、もみの木かその仲間?

どうやら、まぎらわしいモノは、冬の荒天で落とされた実らしい。

そうだったのかと気づいて、足を止めてしげしげと見てしまった。

ゴメンね、ワンちゃんたち。

今度はちょっとした勘違いだったよ。

でも、自分にとっては、日ごろ見かけない珍しい木の実だったこともたしかなのでありました。

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雪の下で、ロゼットの姿で春を持つ植物たちに出合った

2024-02-01 15:32:02 | 草木花

この時期にしては暖かい日が続き、昨日一昨日と晴れが続いた。

前に降った雪が一気にとけた。

すると、雪がとけた土の上に、雪の重みでぺちゃんこになりながらも耐え忍んでいた植物の姿が顔を出す。

今回見かけたのは、「ロゼット」という姿で冬を耐え忍んで春を待つ植物たち。

【タンポポ】

ロゼットというのは、「植物の根生葉が地面に水平放射状に出て、全体が円座形をなしたもの」と、あるところで説明されていた。

かえって分かりにくくなってしまった…。

根元からすぐに出ているように見えるような葉が、地面から平たくあちらこちらの方向にに出て全体的に丸っぽい形に見える、ということかな?

【スイバ】

雪は重く、その下じきになるのは冷たくて、大変だろうと思う。

でも、じっと耐えて、春が来たら伸びる準備をしているわけだ。

【セイタカアワダチソウ】

こういう冬越しをする植物たちがいる。

なんだかとてもいじらしい。

【ホタルブクロ】

 

今日からまた少し寒くなり、雪も降るらしい。

がんばれ、ロゼット、春までもう少し。

 

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