土用の時節にはうなぎを食べると夏負けしないといいます。鰻にとっては、クリスマスの七面鳥と同じように大迷惑な習慣です。今年のうなぎは大変な不漁だそうで庶民には遠き味になりそうです。
万葉集の巻16に大伴家持が痩せた同僚を冷やかしている歌が残されています。宴席でのおふざけの歌かもしれません。
「痩せびとを笑う歌二首
石麻呂にわれもの申す夏痩せに
よしといふものぞ鰻とりめせ
痩す痩すも生けらばあらむを
はたやはた鰻をとると川に流るな
右は吉田むらじおゆ、あざなは石麻呂という。・・・多くくらひ飲めども形、飢饉に似たり。・・・」
1200年の前の時代からもうなぎは食べられていたのですね。日本人の伝統食といえましょう。今は飽食の肥満時代で石麻呂さんみたいな体型はあまり見かけません。