昨日12月11日は、東日本大震災から1年9ヶ月目の忌日でした。私たち立正佼成会では、毎月の11日震災犠牲者のみ魂を救済する法華経の読経供養を各家庭の仏壇で実行しております。ところが私はこれを失念して出かけました。あの日の道路にしゃがみこんだ恐怖感、あの日の津波の映像、大川小学校の惨劇など忘れてしまったのです。他人事となって忘れていたことに恥じ入ります。
8月に読経のためにお邪魔した福島県いわき市では、今だに家の土台のみが雑草にのこされていました。11月14日現在の死者は15873人、ご遺体無き行方不明者は2744人にのぼるのです。
田舎暮らしを楽しむと横浜から福島県川内村に移住していた兄夫婦は、放射能漏れにより追い出され今は北海道へ移り住んでおります。除染が充分でないそうで帰れないのです。逆に北海道のおいいしい新米を30キロ送ってきてくれました。震災被災者からのプレゼントには恐縮するばかりです。日本人はなんでも水に流して忘れやすいそうですが、3.11は8月15日の終戦日の様に心に刻み直す必要があります。われわれのために犠牲となった声なき戦没者と同じように、突然夢を断たれた方々を慰めることは、目に見えないからこそ必要であると考えます。