過日ある町で怒りの男女を連続して見かけました。ひとりは駅の通路で突然の怒号を発する中年のおばさん、自分でつまずいてるのに仮面のような鬼の顔でした。もう一人は駅前の道路で停車している運転者を「首を締めたろか」「出てこい」などと脅している中年男です。周りを凍りつかせる自己中心、わがままな連中にはゾットします。私は自分の心を見せつけられたと、今日は特に自戒して過ごそうと思いました。
釈尊の教えに六道輪廻(ろくどうりんね)の苦しみが説かれております。六つの苦の世界とは ①地獄、②餓鬼、③畜生、④修羅、⑤人間、⑥天上を言います。
特に最悪の境涯は「三毒」と言い、地獄界と餓鬼界と畜生界です。地獄はかっと怒るイライラ、餓鬼は知足を知らずもっともっとガツガツする心、畜生は不平不満ばかりのブーブーです。この行為は他人を傷つけ、果報として自分の首を締め上げる愚かな最低のおこないです。
自分の心さえもコントロール出来ないケダモノの心です。しかし、誰でもが心に持つ人間の性です。釈尊のお心にさえ六根は在ったのですが、その因に縁を与えない統制が法の悟りから生まれるそうです。
なお⑤の人間界は神仏の心から地獄まで不安定に揺れ動く状態。⑥の天上界は舞い上がってVサインしている歓喜の時、仮の悦楽です。
この苦しみの六界を離脱するのが仏道修行の目標点です。