『私の家には孫が四人、一緒に暮らしております。まだ小学校や幼稚園に通っている子たちですが、私がご宝前(仏壇)でご供養をするときには、孫たちも一緒にすわって読経するのです。
なにしろ大家族ですから、それは賑やかで、家族全員がそろったかどうか点呼をとる、といった愉快で和やかな情景が生まれるのです。
朝早くからの毎日の読経供養は、まだ小さな子どもたちにはかわいそうかなとも思いましたが、そうして家族がそろって仏事を行じ、読経の席に連なる敬虔な雰囲気の中に身を置くことが全人教育の一つになると私は考えているのです。また、その毎日の行が、子どもたちの忍耐力をつけさせることにも役立つと思うのです。
といっても、私の家でそうしているからといって、みなさんのうちでもそうしなくてはならないと、嫌がる子どもを叱りつけて無理やりすわらせるといったやり方では、逆に反発をつのらせるだけで、本当の教化にはなりません。
やはり、親が毎日行じるそのうしろ姿を見せて、次第に感化していくことが大切だと思うのです。』
庭野日敬著『開祖随感』
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