四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

美智子皇后さまの歌

2010-10-25 10:45:11 | 生かされて今日
 10月20日は美智子さまの76歳のお誕生日でした。激務にして定年がない天皇陛下をお支えくださって、大和なでしこの豊かな教養、細やかな情感、尊さをお示しになっておられます。外国に大いに誇れる国母をお勤めになっておられます。「仕事がのろくなり、探しものが見つからない」と加齢の心細さをおっしゃっておられます。
 我が国で初めて民間から皇室に嫁がれた皇后陛下なのです。旧弊の極みであった皇室に嫁がれ相当ないじめや偏見にお心を傷つけられたことでしょう。皇后さまの身内をうたう短歌を、恐れ多くも私好みで選んでみました。

○遠白き神代の時に入るごとく伊勢参道を君とゆきし日
    ご結婚のご報告に参拝された際のお歌でしょう。

○癒えましし君が片へに若菜つむ幸おほけなく春を迎ふる
    陛下の病が治り二人でいる幸せを詠まれました。

○ことなべて御身ひとつに負ひ給ひ
         うらら陽のなか何思(おぼ)すらむ   
    陛下の激務のお立場に思いを馳せておられます。

○彼岸花咲ける間(あはひ)の道をゆく行き極まれば母に会ふらし   
    実家に帰ることも制約され、自由に甘えることも
    出来なかった母恋の詩。

○セキレイの冬のみ園に遊ぶさま告げたしと思ひ覚めてさみしむ  
    生物学者の昭和天皇をしのぶお歌。

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