『大般涅槃経という経典に、「宗廟を崇めて儀典をやめず」という言葉が出てきます。宗廟とは祖先の御霊屋のことです。
自分がいまこの世に存在できているのは、ご先祖さまのお陰であるのは言うまでもありません。一本の樹木にたとえるならば、ご先祖は根であり、私ども子孫はその根によって育てられた枝葉です。両親は幹ということになりましょうか。
ですから、枝葉である自分を茂らせ、美しい花や実を結ばせるためには、まず根に栄養を与えなければなりません。
この順序をわきまえてこそ万物の恵みを十分に受けられるわけで、それが人間の道なのです。
ご先祖さまを粗末にするとたたりがあるのではないか、などと恐れて先祖の霊を拝むのは、まったくの考え違いです。
「行供養」という言葉があります。自分の現在をあらしめているご先祖のご恩に対して、心からの感謝の念をもって、その徳をあがめ、そして「ご先祖さまに安心していただける自分になります」とお誓いして精いっぱい努力するのが、供養の出発点です。』
庭野日敬著『開祖随感』より
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