癌封じ「笹酒祭り」として有名な奈良市の大安寺は、1月23日と6月23日には、境内で笹酒を頂くテレビが、毎年放映されることでよく知られている。
1月の笹酒祭りは、「光仁会」と呼ばれ光仁天皇の御忌法要で、天皇は人々の病苦を憂い悪病の退散の祈りをされた方で、その故事にあやかって無病息災に過ごそうと行われるのが「癌封じ笹酒祭」。
6月23日は中国の故事で言う「竹酔日」で竹を植えるとよいとされ、古来より人々の生活と文化に大きな恩恵を与えてきた竹に感謝し供養して「癌封じ夏祭り」で、境内では温めた笹酒を頂くことができる。
大安寺は日本で一番古いお寺と言われている。
飛鳥、奈良、平安の三代にわたり、日本の仏教の上で重要な役割を果たしたのが、大安寺である。
平安時代には最澄・空海もここで学んだと、ご住職の話されたことが印象に残っている。
自我を捨て、人との垣根を取り除くことが「和」の精神で、聖徳太子の教えであること。その祈りの道場としての大安寺の存在を熱く語られた。
今特別公開されている秘仏の十一面観音菩薩様を拝しながら、お腹に響く大太鼓に合わせて、般若心経を唱えさせていただいた。
太鼓に合わせてお経をあげたのは初めてだった。
境内には笹酒との関わりか、綺麗に手入れされた竹の道があった。
「いのちの小路」と名づけられている。
またあどけないなか優しさに満ちた「稚児大師」が祀られている。
時間がなかったのでもっとゆっくり見たかったという思いが今もあり、そのうちお参りしたいお寺である。
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