ホテイアオイの薄紫の花が、今年も私を呼んでいる。 毎年そう思いながらこの時期に、元薬師寺跡を訪れる。遠くまで行かなくても、それが毎年同じ花を見るのであっても、呼んでくれている花は、今年限りの花である。 この田圃に花の植え付けの日のテレビを、5月か6月ごろに見た。泥んこになりながら、小学生2年生の児童が一生懸命に植えていた。
その子達のお陰でこの夏の終わりに、目に涼やかな色合いの花を見る楽しみがある。ことのほか暑い今年、尚更ホテイアオイの色が優しく待っていてくれる気がする。
何回かに分けてホテイアオイを見つめてみたい。
先ず真夏の花蓮が数多く咲いて、なかなかホテイアオイにバトンタッチをしないのは、今年の異常に暑いお盆過ぎであるのだろう。
例年は蓮の花が咲いてはいるけれど、こんなに元気良く我が物顔ではなく「もうあなたの季節ね。そろそろ引退準備をしますね。」と言った姿が多く見られるのだけれど・・・・
でも、美しいものが、いつまでも眺められるのは、大いに結構である。
ほら蕾が明日へ、明後日へとスタンバイをして、遠くの薄紫とのコラボの準備中だ。
シオカラトンボが蓮の蕾を占領して動かない。羽休めに丁度いいのだろう。
キバナコスモスを見た藤原宮跡では、余り形のよさが分からなかった、畝傍山がここでは、ホテイアオイと花蓮を従えて形のよい姿を見せてくれる。