里山としてあるがままをここに、残していくことは、このクラブの人たちのボランティア活動によってなされている。
手を加えすぎると、自然を残すことができないし、手入れしすぎると、作られた花壇になる。この歴史公園を散策して、ふっと昔遊んだ里山を思い浮かべることができる。
「花壇です」と言った、肩の張った造りでなく、歴史公園の中の里山に咲く、季節の花・それも古代からの詩歌に詠まれている花たちを、何気なく自然そのままの生育を見せてくれる。
ススキ・秋の七草では「尾花」と呼ばれている。
「ひょろひょろと
猶(なお)露けしや 女郎花」
松尾芭蕉
「女郎花 秋萩凌ぎ さを鹿の
露分け鳴かむ
高円(たかまど)の野そ」
万葉集 大伴家持
草むらの中をかなり気をつけてみていると、ワレモコウが咲いている。
吾亦紅 さし出て花の つもりかな 小林一茶
鮮やかな朱色の、ノカンゾウを真ん中に、紫と、白のキキョウを並べた。これらの花たちも、背の高い雑草(みんなそれぞれ名前があるのでしょうが・・・)の中にひっそりと身を潜めるように咲いているのが、可憐である。
万葉集では、キキョウの花を「あさがお」と詠んでいる。
桔梗の花
咲く時ぽんと 言ひそうな」
加賀千代女
安心して遊べるのか、シオカラトンボが羽休めをしている。
ピンと外れのツリガネニンジンである。もっと丁寧に何枚も撮ればよかったのに、これ1枚。