迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

陰陽―カゲヒナタ―10

2012-05-10 18:12:17 | 戯作
「あ、お疲れ様です…」 おやおや、こんなところで会うとは。 「ケータイ、そっちもやっぱダメ?」 「そうですね。圏外ですよ」 「そっか…」 いつ着替えたのか、山内晴哉はパーカーにジーパンといった、ごく普通の服装だった。 見るからにむさ苦しいウインドよりも、こちらの方がよっぽど似合っているような…。 「家、どっちの方なの?」 自宅の最寄駅で答えると、 「川の向こうか。ちょっと距離ある . . . 本文を読む
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