迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

陰陽―カゲヒナタ―27

2012-05-27 20:46:38 | 戯作
帰宅したのは夕方。 まさか僕がこんなに早く帰って来ると思うわけもなく、CDデッキで音楽を聴いていた翔は、 「あれ、バイトは?」 と目を丸くした。 「ああ。今日は仕事少ないからって、早上がりにさせられた」 と言いながら、つい翔を感慨深く見てしまった。 “かげ” “ひなた”… 「え、なに?」 翔は顔に何か付いているのかと、頬に手をあてた。 「いや、ごめん。違うんだ。今日バイト . . . 本文を読む
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