やがて、誰かに肩を軽く揺すられて、僕は意識を取り戻した。
ハッと頭を上げると、中年の男性が、
「電車、動き出したみたいですよ」
と声を掛けながら通り過ぎて行くところだった。
「あ、ありがとうございます。すみません…」
僕は茫としたまま立ち上がり、辺りを見た。
それまでコンコース外から凄まじい勢いで聞こえていた風の音は止んでいた。
うたた寝の間に、ピークは過ぎたらしい。
“大変 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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