迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ニッポン徘徊―甲州道中32の2 笛吹権三郎の悲話

2011-11-24 09:13:28 | 浮世見聞記
笛吹橋を渡るとすぐに右折、道に沿って数百メート続く松並木↑は当時の名残りなのかな、と思いながら20分程歩くと、左手に「笛吹権三郎之像」が↓。



この少年は、

『鎌倉末期、日野資朝らと鎌倉幕府へ反旗を翻した藤原道義の嫡男で、笛の名手でもありました。

計画が失敗して甲斐へ逃れた父を慕い、母とこの辺りまで訪ねて来たところ、川の洪水によって母を見失ってしまいました。

その後何日も母を捜し続けましたがついに見つからず、落胆した権三郎少年は川に身を投げてしまいました。

下流で発見された遺体の手には、しっかりと愛笛が握られていました。

事情を知っている地元の人々は深く同情し、少年を手厚く葬りました。

しかし、それ以来夜になると、川から悲しげな笛の音が聞こえてくるようになり、地元の人々はさらに少年に同情するのでした。

それからというもの、この川は「笛吹川」と呼ばれるようになりました。』


石像から先の旧道筋は、一部が民家と畑で消滅。

途中から残る、とてもかつての街道だった思えないような細道を、



次の石和宿へと向かいます。
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