迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ニッポン徘徊―甲州道中30の1 鶴瀬宿→柏尾橋

2011-11-22 09:28:36 | 旧甲州道中
すぐ先で国道に合流すると、目川沿いのなだらかな下り坂に。

約20分後、「観音隧道西」信号手前で一瞬だけ国道から分岐した左手には、使われなくなって久しい「長垣吊橋」が、いかにも廃墟らしい風情で見る人の足を思わず止めます(上段写真)。

かつて、地元のぶどう農家の人々が利用していたようです。


廃止された吊橋からさらに2㎞ほど行くと、次の勝沼宿への入口である「柏尾橋」に差し掛かります。



現在は直進していますが、これは大正時代以降のルートで、それまでの橋はやや上流に架かっており、橋を渡るにはそちらへ少々迂回しなくてはならなかったのは、宿場の枡形と同じく防衛上の理由からでしょうか。

中段写真の、橋の手前から川に沿って右方向へ伸びている白い石畳の下り坂が、旧道。


昔の橋の場所には、現在も土台の石垣が両岸に遺されています。




またこの辺りは、明治元年(1868年)3月6日に旧幕軍と官軍が戦った戊辰戦争の古戦場でもあり、かの近藤勇も旧幕軍の一員として参戦しましたが、わずか一日で官軍の勝利によって幕を閉じたとか。

現在の橋の袂には、近藤勇の真新しい石像が建っています。
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