迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

男の「退き際」を見る。

2020-01-27 21:33:00 | 浮世見聞記
德勝龍関の初優勝に沸く一方で、豪栄道関の引退決意を知る。



初場所の中継で、何かを悟ったやうな表情が映し出されてゐるのを見て、「……かな?」と予感してゐたが、退き際といふものをよく心得た、本當の意味での力士であり、そして「男」だな、と拍手を贈りたゐ。


やはり六年間も大関の地位を張り續けたといふことは、それだけの努力と、培はれた實力があるといふことだ。

親先祖が血と汗と涙で築き上げた地位に胡座をかき、「おのれの為せる技」と自惚れてゐる者、或ひはさうした自覺すら無くただ上席にこびり付ひてゐるだけの者など、傅統組織の病巣を垣間見たことがあるだけに、ああした輩には出来なゐ”技“だな、とつくづく思ふ。


「やりきった」との言葉は、六年間大関であり續けた者の、心からの聲だらう。

納得した上での引退なら、「勇退」といふ言葉が相応しい。



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